No.107762

友達みたいな恋をして

白亜さん

今先ほど書き上げたものです。
書いてて何なのですが、短い上に
何が書きたいのか良くわかりません(汗
ほんのりまったりと生きている二人のお話…かなぁ?

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2009-11-19 00:06:55 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4218   閲覧ユーザー数:4043

それはきっと突然やってくる。

 

 

 

 

 

「へっくしゅ…うぅ、寒いな今日は…」

 

炬燵に入り、TVを見る。

流石にこの時期はどこもあまり面白い番組はやってない。

 

「今年ももう直ぐ終るなぁ」

 

TVを消しそのままゴロンと横たわる。

クリスマスも過ぎ、後は数日経てばもう次の年だ。

思えばこの一年は一番大変だったと思う。

 

「ま、その分楽しかったけどな…」

 

命の危険もそれなりにあったが、過ぎてしまえば懐かしい思い出だ。

あの悲しい過去も今では普通に思い出す事ができる。

 

「あいつのおかげ、かね」

 

今頃皆でのんびり夕食をとってるのだろう。

自称俺の一番弟子は肉が食べたいと叫んでるはずだし。

我が同僚は、それに苦笑しながらもその要望に答えているのだろう。

そして所長はそれを見て、機嫌が悪そうにしながら本心は楽しんでいるはず。

最後にあの素直じゃない子は…

 

ドンドンと扉を叩く音がする。

正直言えば炬燵から動きたくないが、お隣さんかもしれない。

ならば、出ないわけには行かないだろう。

名残惜しいが、さくっと出ますかね。

 

「寒い」

 

ドアを開けると、それはお隣さんではなく、

件の素直じゃない子だった。

 

「ま、入れよ」

 

「うん。炬燵使える?」

 

「あぁ。ほれ、其処にいると冷えるだろ早く入れ、俺も寒い」

 

「んー、外よりは暖かいわね」

 

この家にストーブなんて高級機材は、あるが使わない。

燃料代払うくらいなら、そのお金で豪勢に牛丼でも食べるだろう。

いそいそと二人炬燵に入る。 

 

「生き返る~」

 

「年寄り臭いな~。痛てっ、物投げるなよ!」

 

「可憐な少女に向かって言う言葉じゃないわよ」

 

「少女な所は認めるが可憐かというと疑問だ」

 

冗談だ冗談。頼むからその分厚い本の角で殴ろうとしないでくれ。

 

「しかし、最近よく来るな」

 

「いいじゃない別に。折角こんな美女が来てるんだからもっと喜びなさいよ」

 

「自分で言うな」

 

「事実だもん」

 

やれやれ、俺も調子のいい。

こいつが来てから急に寒くなくなった。

 

「ねぇ?」

 

「何だ?食い物はもう無いぞ」

 

「別にたかりに来た訳じゃないわよ、これ以上絞ったら枯れそうだし」

 

「ほっとけっ」

 

「それ、つけてたんだ?家の中なのに」

 

俺の首元を見ると、黄色のマフラーが装備されている。

防御力は上がらんぞ?暖かいがな。

 

「炬燵だけだと寒いからな」

 

「ふふん、私からのプレゼントだからじゃない?」

 

「さぁーな」

 

たく、痛い所ついてきやがる。

半分当たってる辺り言い返せない。

 

「よいしょっと」

 

「おいっ?何する、ってあー」

 

急に俺の傍まで寄ってきてマフラーを外してくる。

寒いんだから返せって。

 

「言われなくても返すわよ、ほらっ」

 

無駄に長いマフラーは俺とあいつの首元をすっぽり覆ってしまう。

そしてそのまま俺の隣で炬燵に入る。

 

「お前、これが目的だったか?」

 

「何の事かしら?言ったでしょ。ぼーっとしてたら長くしすぎただけよ」

 

くすっと笑う。

あぁ、間違いなく確信犯だな。

だが、まぁ。

 

「暖かいから、別にいいか」

 

「そうそう、気にしないの。それとも恥ずかしい?」

 

「まさか、もう馴れたよ」

 

「ふーん、男っぷりもレベルアップって訳ね」

 

相変わらずああ言えばこう言う奴だ。

やってる事は全部素直なのに。言動だけは素直じゃない。

だからこそ。

 

「なぁ、タマモ?」

 

「なによ横島?」

 

俺達は友達みたいな感じで恋をしてるのかもしれないな。

 

―おわり


 
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