If 蜀endアフター 第三話
と、いうわけでまずこの小説を見るに当たって注意事項↓
・結構ストーリーも時代設定も捻じ曲げちゃってるかもしれません。
・描写が多い
・今回のお話では感動できないかも知れません
それでもいいという方、お進みクダサイ。
第三話になっても今のところコレだけです。お話が進み、ゲームと離れていくたび、
増えてくと思います。
ではどうぞ。
一刀Side
大雨の降る夜、俺は地面に倒れていた。
―冷たい― ・・・なにがだ?体も・・・心も・・・冷たい。
なのに・・・、芯は熱い・・・、目尻も熱い・・・喉も熱い・・・。血が沸騰しそうだ・・・。
―帰りたい― ・・・どこにだ?もう帰ってきたじゃないか・・・。自分の世界へ・・・。
ちがう・・・、彼女たちのいた、あっちの世界へ・・・。帰りたい・・・。
一刀は濡れていた。いつから濡れていたのかは分からない。ただ自分の顔を濡らすのは涙だと気づく。もう少しこのままでいたい・・・。雨が涙を流すまで・・・。
この世界に帰ってきてから何分たったのだろう。眼は覚めても起き上がる気にもなれなかった一刀は初めて疑問を抱いた。
一刀はゆっくりと立ち上がるとまずそこがどこなのか確認した。
「・・・フランチェスカ・・・」
そこは自身のかよう高校の目の前だった。また眼から涙が出てくる。帰ってきてしまった・・・。
彼女達との約束をほったらかして。
「なんだよ・・・」
なんだよ、なんだよ、なんだよ!!
あんなに帰りたいと思ったときは帰してくれなかったくせに今更・・・、
俺は・・・、どうすりゃいいんだ? どうすれば・・・、また彼女らに逢える?
抗いようのない運命と知りながらも必死に自らの心の内に問いかける。
だが・・・、
「・・・思えばあの世界に飛んだのもわけわからなかったもんな・・・。
今さら・・・俺になにができる・・・。はは・・・」
一刀は流れ出る涙を拭かずに寮へと戻ろうとする。
その道のりは短くても遠くて。いつも10分あれば歩ける道を今日は1時間くらいかけて歩いた気がする。
端から見れば変人だろう。傘もささず大雨の中をとぼとぼと歩く少年なんて。
『星は見えるだろうか』そんな思いを抱きゆっくりと・・・上を向くと。
顔に当たる雨が気持ちよかった。熱かった気持ちも少しは冷めた・・・。
もう帰ろう・・・ただ・・・雨に全てを・・・洗い流してもらいながら・・・。
夜空には・・・星はなかった。
「んぉ!!?かずぴーどないしたん!?」
寮の部屋のトビラに手をかけ、開こうとした時、突然なつかしいのが横から現れた。
「・・・おお、及川じゃねーか」
「どないしたんやかずぴー。こんな雨ん中傘差さずに出ていったんかいな?」
ん?反応がおかしくないか?こいつ俺の親友(向こうが言ってるだけ)だろ?
もっとなんかあるんじゃないのか?『1年半も何してて~ん』とか。
いや、これは軽すぎるか。でも、おかしい。こいつの口調から言えば時間は全然立ってないように思える。
「あの・・・さ、及川?俺たち、最後にあったのいつだっけ?」
「?? なんや恋人みたいなこと言い出して?はっ!・・・もしかしてかずぴー俺のことそんな目で・・・」
「いや、ないから」
「・・・突っ込み早いでかずぴー・・・。で、最後にあったのはいつかって?今朝あったやんか」
今朝!?すると俺は向こうの世界にわずか半日しかいなかったのか・・・
たしか登校中に向こうに飛んで・・・ 今、夜の8時前・・・か。
「そうか・・・。ありがとう及川・・・。」
「どないしたんやかずぴー。なんかあったんか?今日学校も休んでたやろ?」
及川はいつになく真剣な面持ちでそうたずねてくる。
「いや、なんでもない」
一刀はそういって及川を振り払う。だめだ。今こんなところで泣けない。
「それじゃ、俺・・・疲れたから・・・寝る」
「ん? おお、おやすみ。てゆうかそんなずぶ濡れやったら風呂はちゃんとはいらなあかんで!」
お母さんかお前は・・・。そんなことを思いながら扉を開く。中は真っ暗。電気をつけてみる。
なるほど、なんにも変わってない・・・と思う。
もともとかたずけてる方でもないと思うが、何せ寮。部屋も狭くなっているから
必要なもの意外を持ってきたらすぐにスペースがなくなる。だからみんな必要最低限のものしか持ってこない。
ホコリも、人が生活している程度のホコリしかたまっていない。
「やっぱり半日しか立ってないのか・・・」
とりあえず制服を脱ごう・・・。そう思ったときだった。
――ふゎさ・・・
「ん?」
制服からなにが落ちたのか、と見れば足元には鳥の羽をあしらった髪飾りが落ちていた。
いつもあの子の耳元についていてきれいな白色をしてた髪飾り。・・・それももう今は泥水で汚れ、輝きを失っていた。
「桃香・・・」
ふと口元から名前がこぼれる。それはこの髪飾りをつけていたあの子の名前。
名前を呼べばその辺からひょこっと顔を出してキョロキョロする。そして俺を見つけるとトコトコと駆けてきて。
町へ行こうと俺が誘うけれど。俺が誘ってるのに、最終的にはあの子がリードする。
「・・・」
初めて会ったときから気がよくあった。『愛紗こわいね』と二人でずっと隠れてたり。
俺のくだらない冗談にも本気になってくれた。よく遊んだ。
「・・・ぐすっ・・・」
俺が落ち込んだ時、俺の歩くべき道を照らしてくれた。
前に俺は言った。『桃香は皆に勇気を与えれる』と。俺は勇気以外にもいろんなことをあの子から教わった。
人を愛し、人に愛されることを学んだ。その喜びも。辛さも。
俺は・・・何をしてやれた?・・・何もしてやれなかった。『いかないで』という最後の願いだって・・・かなえてやれない。
「・・・ひっく・・・」
いつか自分の中であの子は大きな存在となっていた。
君主として尊敬し合い、仲間として信頼し合い、恋人として愛し合った。
だからこそこんな分かれ方に納得できなかった。
「俺が・・・なにをした・・・?」
一刀の目には再び涙がたまる。なんでこんな分かれ方をさせられなくちゃならないのか。
傷ついた心は瞬く間にそんな疑問で埋め尽くされる。
「桃香・・・みんな・・・会いたい・・・よ」
一刀の悲痛の呟きは静かに室内に木霊した。
その晩一刀は汚れてしまった髪飾りを一晩中ずっと握り締めていた。
えーと、とりあえず朝起きた瞬間の説明をします。
朝起きると筋肉の彫像があって、その筋肉の彫像は動いていました。
「うっふぅぅぅぅん!!!ご主人様じゃな~い!!!!!」
化け物だ・・・。一刀の頭の中にはそのワードしか出てこない。
だがひとつ気になることがあったのでビクビクしながらもそこを聞いてみる。
「ご主人様って・・・、なんであなたはそのことを知ってるんですか?」
すると筋肉は突然声の調子を変えて語りかけてきた。
「私は、外史の管理者といって全ての外史の始まりと終わりを見届ける役割を持つもの」
「外史?あの世界のこと?」
「そう、ご主人様が行った蜀もその一つなのよん」
「へぇ・・・。道理で・・・。じゃあ質問を変えるけど、どうしてあなたは俺を知ってるんですか?」
「前に・・・、会ったのよ。昔ね・・・」
筋肉はこの質問の時だけ少し悲しそうにした。なぜかわからぬうちに筋肉は会話を続けた。
「じゃあご主人様が私のことを知らないようだから軽く自己紹介しておくわねん!私の名は『貂蝉』といってねん。普段の仮の姿は都で踊りをしている踊り子よん!」
自分の耳を疑った。これが傾国?たしかに国も傾きそうだけど・・・。いや、傾けそうだけど。それに、踊り子?踊るの?
「あっらぁぁぁん?ご主人様ったらまたそんな目で私を見つめちゃってん・・・」
目の前の化け物は身をくねくねしながら悶絶している。この化け物はとりあえず『エライ人(?)』ってとこにカテゴライズしとこう。
「あんたが外史の管理者なら・・・、俺はまたあっちの世界へ行けるのか?」
この質問に少し考えた貂蝉はくねくねをやめた。・・・そしてゆっくりとうなずきながら答える。
「そうね。私ならそれが出来るわん・・・」
「なら―」
―あの外史へ連れてってくれ! そう言いかけたのをごっつりしている巨大な手の平で遮られる。
「今はまだダメなのよん」
「・・・なぜなんだ?」
「外史へ飛ぶのは簡単よん。どこの外史へ飛んでもいいのならねん。はるか古代の文明へ飛ぶ?」
「・・・それは・・・イヤだ」
そういうと貂蝉はふぅーっとため息をついた。
「・・・難しいわよ。まずそれにはいくつかの条件があるのよん。」
「・・・条件?」
一刀はそう聞きながらも『条件なんていくらでも飲んでやる。』とそう思っていた。
「さっきはちょっと言い過ぎたわねん。古代の文明へ飛ばされるってことはまず無いわよん。ただ、条件を満たさないと同じ三国志の外史の中でも桃香ちゃんがいない世界だったり、誰一人としてご主人様のことを覚えていない世界に飛ばされる可能性があるのよん・・・」
「・・・なら、その条件は?」
貂蝉は少し戸惑いながらも答えた。
「外史側の人間とご主人様の心の疎通、ほぼ同時に正史と外史の両側から力を掛けること、あとはご主人様の存在の安定。」
「えーと、一つずつ説明してくれ・・・」
何を言っているのか理解できなかった一刀はすっかりおとなしくなった貂蝉に説明を頼む。
「わかったわん。まずは『外史側とご主人様の心の疎通』だけど、本当にわかりあえてなくてもいいの。ご主人様が『戻りたい』と思い、向こうが『戻ってきて欲しい』と思ってればいいのよん」
「・・・うん。なるほど。分かった。次」
「次に・・・『ほぼ同時に両側から力を掛ける』だけどこれももう手配済みよん。向こうの世界には私の昔のお師匠様に行ってもらうことになってるわん」
「そいつはどうやって行くんだ?」
「私たちは管理者としての能力を持っているから思い通りの外史へ行くのに条件なんていらないのよん」
せけぇ・・・。そう思いながらも一刀はここまでしてくれる貂蝉に感謝の念でいっぱいだった。
「最後だけど、こればかりは一夕一朝でできるものじゃないの」
「えーと、俺の安定・・・だっけ?」
「そう。『ご主人様の存在の安定』よん。この世界はさっきまで消えていた『北郷一刀』の突然の出現に戸惑っているの。足場がしっかりしていない状態で飛び立とうとしたら最後。ご主人様は外史とも正史とも言えない空間に閉じ込められる。そうなったらもう私たちでもご主人様を見つけることはできないの・・・」
「足場をしっかりさせる方法は・・・?」
もう一刀にはその答えは分かっていたが、それでもそうでなくてくれと思うしかなかった。
「『ただ時をまて。』 ・・・今の私からはこれだけしか言えないわ」
その答えは一刀の予想の通りだった。
「・・・そっか。ありがとう貂蝉」
「ええ。ごめんね。ご主人様の力になれなくて」
「いや、十分だ。また帰れると思えただけで俺の心はずいぶんと軽くなった。本当に感謝してる」
「んもう!ご主人様ったら口がずいぶんとうまいのねん!・・・このままもうちょっとここにいたいのだけれど・・・急な仕事が入ったようだからもう行くわねん」
「え・・・?あ、うん」
仕事?踊りの?
「やーねぇ。管理者の仕事よん」
簡単に人の心を読むなよ・・・。
「それとも私の踊り、見たいのん?」
見たくな・・・ そう思い掛けて、やめる。
「それじゃ、私行くわねん」
「ああ・・・」
「はああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
と、叫んで貂蝉はドアから飛び出て行った。
何秒かしてドアの外からは人の悲鳴が聞こえた・・・。
・・・どうでしたでしょうか。
『第三話』です。ご期待に副えなく、真に申し訳ございません。
次もまだ感動するようなお話をかけそうにないです。
続くのか?この作品は?皆様に飽きられる前に完結させたいと思いますっ!
まだ続け。
あとがきのあとがき
先日の疑問、回答ありがとうございました。
そうか、雛里か・・・。雛里が命令したのか・・・。桔梗に。
それとも雛里自ら剃刀を取ったのだろうか・・・。
謎は深まるばかりですね!
・・・どうも、すみませんでした。
三話に文章追加ということに便乗してあとがきも追加。
そうか・・・、蜀には猪々子もいた・・・。うかつだった。
くそぅ。桔梗より猪々子のほうが結構喜んで刈りそうじゃないか。
斗詩と二人で
「ほらー斗詩もやれよー」ソリソリ
「文ちゃん・・・いや、でも・・・」
「いいんだって。雛里がやれっていってんだからさー」ソリソリ
「ゴクリ・・・」・・・ソリソリ
「おお♪斗詩ってばいい剃りっぷりじゃーん♪」
「あ・・・楽しい」ソリソリソリソリソリソリ
「貴様らぁ!わしの分も残しておけ!!」
・・・なんか違う気がする。
ということでここで便乗終了。
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蜀サイドと対比させるように読んでください。