科野県北部、永乃市北竜温泉町。
標高1904ｍの戸隠山を登って行くと、山頂付近にて文字通りの「北竜温泉」に辿り着く。
ここで旅の疲れを癒そうと思っていた矢先、私と案内看板を訝しげに見つめる老夫婦に遭遇。
「あ、雨乞いの竜神様の再来じゃ…！！」
などと大仰に騒ぎ立てられ、テレビ局の取材まで受ける事態となってしまったのである。

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世は奈良時代、民の雨乞いで顕現した白竜が（何を勘違いしたのか）雑に山を穿ち、
そこから湧き出たのがこの温泉の成り立ちだという。
神力を含んだ湯は様々な奇跡を起こし、結果的に雨乞いは大成功となったわけだが、
このような強引な方法を取る白竜など、母さまを置いて他にいないだろう。

現代でも微かではあるが神力を含む湯治の名湯。
あの人間…緋桜観緒も湯治に通っていたという。冗談のような話だが昔は病弱だったらしい。