No.107132

真・恋姫無双 江東戦記 第4記・反董卓連合-2

赤銅さん

連合による汜水関攻略戦です。

2009-11-14 23:51:40 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:10582   閲覧ユーザー数:7251

曹操という嵐が去り、静かになった劉備軍の陣地。

とりあえず出向いたこちらから挨拶をする事にした。

 

「改めまして自己紹介します。

 俺の名は、北郷一刀。 孫権軍の軍師兼武将をやっております。」

 

「私の名は孫権仲謀。

 孫呉の姫で呉王・孫策の名代としてこの戦いに参加している。」

 

こちらの自己紹介が終わると劉備軍の将達も自己紹介でかえしてくれた。

 

 

「あ、あの。りゅ、劉備玄徳です。」

 

「関雲長だ、先ほどはありがとうございました。」

 

「鈴々は張飛なのだ。」

 

「はわわ…! しょ、諸葛孔明でしゅ!」

 

「あの…、鳳士元です。」

 

「ふふっ、我が名は趙子龍。先ほどは見事な舌戦でしたぞ。」

 

!! これは驚いたまさかこの時期に蜀の二大軍師と趙雲がいるとは……。

やはり俺の知っている流れと差異があるようだ。

 

あとなんで劉備さんと諸葛亮ちゃんは怯えているんだ?

 

 

「まあいい………。

 早速ですが我々の用件を済ましてよろしいでしょうか?」

 

「は、はいっ!! し、汜水関の件でしゅね!!」

 

「それもありますがもう一つあるんですよ。」

 

「他にも何かあるのかー?」 

 

「ええ、実は我々孫呉は劉備さん達と同盟を組みたいと考えているのですよ。」

 

「「「「ええっ!!?」」」」

 

俺の台詞に驚いたのは劉備さんに関羽さん、それにちびっ子軍師の二人か。

あとの二人は面白そうな顔とよくわかってない顔をしている。

 

 

「あの~、その前に一ついいでしょうか?」

 

「なんでしょう?」

 

「その…、北郷さんは本当に〝天の御遣い〟様なんでしょうか?」

 

劉備さんの質問に周りの皆も俺に注目してくる。

そう言えばさっき俺の事を曹操がそう言って皆驚いてたな。

 

「ええ、確かにそう言われてますよ。」

 

「「「「「「 !!! 」」」」」」

 

今度は劉備軍の将、皆が驚きの表情を見せた。

 

 

「何故天の御遣いが孫呉の軍にいるのです!?」

 

「そうだな~~、……それが天命だったから、かな?」

 

関羽さんの質問に答えるも正直俺もわかってはいない。

 

 

「だったら孫権さんがこの乱世を終わらせる人なんですか?」

 

「それはわからない。

 でも乱世を終わらせたいのは貴方も望んでるでしょ。」

 

「はい…、私達は皆が笑えないこの世の中をなんとかしたくて……。」

 

「それは私達も同じよ。

 私達は自分達の家族である江東の民の笑顔を守りたくて戦っている。」

 

劉備さんには蓮華が答えてくれる。

 

 

「そう、同じ目標があり。 その夢を叶えるためには外からの協力者が欲しい。

 それがお互いの本音でしょう。」

 

「あ、あの……。だったら先ほどの軍議で私達に協力すると言ってくださったのはこのためなんでしょうか?」

 

同盟を組まないなら兵を貸さない、とでも思われているのだろか。

まあ、あれは………。

 

「違うよ。」

 

「はわっ!!」 「あわっ!?」

 

ホント可愛い軍師だな。

 

「あれは袁紹の『兵を全てつぎ込め』ってのが気に食わなかったからだよ。

 自分たちの手柄のために他の軍の人間であっても簡単に死になさい、ってのがムカついただけさ。」

 

「あうう……。」「はわわ~~~。」

 

なんだ、さっきから何を怯えてるのかと思えば軍議中の俺に怖がってただけか。

どうもさっきの事を思い出して怒気がにじみ出たみたいで微妙に引かれている。

 

 

「まあ、そんな訳だから同盟締結の有無で汜水関攻めで手を抜く云々はないから安心して。

 それに俺達だっていきなり信用してもらえるとは思ってないし。」

 

だから俺達の戦いぶりを見て決めて欲しいと言って同盟の件は一時保留とした。

 

 

「それじゃあ汜水関攻めの相談をしようか。

 まず劉備さんの所で分かってる事はある?」

 

「それが斥候を放ってみたんだがまだなんとも……。」

 

「あえて言うなら関が難攻不落で守将が華雄さんとおっしゃる方らしいです。」

 

なるほど、まだ何も分かってないのが現状か。

 

 

「なら私達の斥候の話を聞きましょう。 明命!!」

 

「はい!!」

 

 

「「「うわっ!!」」」

 

いきなり現れた明命に劉備軍の皆だけでなく俺も驚いた。

 

 

「この子は周泰、わが国最高の〝忍者〟よ。

 先に洛陽に潜入して董卓軍の情報を探ってもらってたわ。」

 

「呼ばれれば出てくる、それが私です!」

 

ちなみに〝忍者〟という言葉は明命の仕事を聞いた時に俺が「忍者そのものだな」

と言った時に雪蓮が「面白い役名ね」と乗って来て、明命は呉王により正式に〝忍者〟に任命された。

 

 

「ふむ、そんな小さな娘が最高の〝にんじゃ〟とやらなのか?」

 

趙雲さんの言葉に少しムッとして言い返した。

明命が…。

 

「何でも大きければ良いというものではありません。

 身長もおっぱいもです!!」

 

「同士なのだ!!」「同士です!!」「同士…。」

 

「はい! 私達は同士です!!」

 

いきなり仲間意識を作った明命に張飛ちゃん、諸葛亮ちゃん、鳳統ちゃん。

 

 

「ちょっと待て、鈴々達はともかく周泰殿は〝そこそこ〟はあるだろう。」

 

関羽さんの一言に一気に詰め寄る四人。

 

 

「愛紗さんみたいにおっぱい勝ち組のボインな人にはわかりません!!」

 

「コクコク。」

 

「そうなのだそうなのだ!!」

 

「その通りです! 蓮華様や劉備様、それに関羽さんの様におっぱい100%の方に対したら私達みたいな10%も1%も同じく塵芥の様なものです!!」

 

 

「よく言ったのだ!! これから鈴々の事は鈴々と呼んでいいのだ!」

 

「私の事は朱里と呼んでください。」

 

「あわわ…、ひ、雛里ですぅ。」

 

「ならば私の事は明命をお呼びください!!」

 

 

「「「「同士よ!!!」」」」

 

 

………いきなり周りの人をほったらかしで真名すら許す同盟を組んだ四人。

四人は手と手をがっしりと握り合っている。

友情に厚いのは結構なんだが………、董卓軍の情報はちゃんと覚えてるんだろうな明命。

 

 

「それでは改めて汜水関攻めの相談をしよう!」

 

四人を何とか落ち着かせ話をようやく戻せた議題を確認するように大きく言う。

明命も自分の仕事を思い出したのかようやく真面目な顔に戻ってくれた。

…まあさっきも真面目と言えば真面目な顔だったが。

 

「はい、私の調べました情報によりますとここから洛陽までで戦場になるのは大きく二つ、汜水関と虎牢関です。 

 まず最初の汜水関は兵数4万で守将に〝猛将・華雄〟と〝神速・張遼〟の二人が。

 続く虎牢関は兵数3万で〝飛将軍・呂奉先〟が守っています。」

 

「呂布か…。」

 

明命の報告にボソッと呟いた俺の言葉に蓮華が反応した。

 

「一刀は何か知ってるの?」

 

「そうだな……、皆一つ聞いて欲しい。

 虎牢関を守る呂布はとても強い、おそらく関羽さんに張飛ちゃん、それに趙雲さんが三人でがかりでようやく互角だと思う。

 だから、決して一人では戦かってはダメだ。」

 

その言葉に驚く一同、特に劉備軍の皆は信じられないと言った顔だ。

 

「ほほう、天の御遣いにそこまで言わせるとは……。

 とても興味が湧きましたぞ。」

 

一人とても楽しそうな顔をしている。

 

「まあ、実際に戦えばすぐにわかるよ。」

 

強い者ほど相手の強さにもすぐ気付くだろうしね。

 

 

 

「それよりまずは汜水関だ。

 難攻不落の砦に篭る4万の相手をどうするか………。」

 

「城攻めは基本相手の3倍の兵がいりますが…。

 孫権さんの兵数はいくらほどですか?」

 

「3万だ。」

 

「それに私達と合わせて4万3千程ですか………。」

 

 

皆で頭を抱えて考える。

難攻不落の砦に同数の兵で落とす…。

 

「無理だな、この数で砦を落とすのは不可能だ。

 それよりも相手に討って出て貰う方法を考えよう。」

 

「そう、…ですね。

 確かに関が篭られて落ちないなら出て来てもらってその間に別働隊で関を占拠するしかないです。」

 

「だとしたらどうやって出させる。

 相手もそれはわかってるからには簡単には出てこんぞ。」

 

「「「「「う~~~~ん。」」」」」

 

皆は再び頭を抱えだすが俺には案があった。

 

 

「敵将を罵倒してみるか…。」

 

「「「「「え!?」」」」」

 

「華雄は猛将と言われてるぐらいだから武に絶対の自信があるんだろ。

 そこを抉ってみれば…。」

 

「出てくるかも知れないのだ!!」

 

「ちなみに……………―――――、というのはどうだろ。」

 

方法を告げると皆で俺を表現の難しい顔で見てくる。

その顔で成功の兆しを感じた俺達は作戦の詳細を詰めていった。

 

 

作戦も決まり、本陣からの指示もあって行軍を開始する俺達。

俺は行軍の間に劉備達との取り決めを呉の皆に説明すると先ほどと同じ様な顔をされた。

 

曰く『この鬼が!』そんな感じだと思う。

 

 

 

行軍も進み遂に汜水関が目に入ってきた。

早速皆所定の位置に着く。

 

まずは連合軍の前曲である劉備軍が左翼、俺達呉軍が右翼。

その左翼後方に公孫賛・西涼軍が、右翼後方に曹操がさらにその後ろに本隊で袁紹、そして後曲に袁術となっている。

 

 

作戦はまずは大陸に名を轟かす関雲長が単騎で出て華雄を挑発してもらい。

続いて張飛隊と周泰隊に城門前まで歩いて詰めてもらう。

 

この時点で城壁の上で漆黒に〝華〟の一文字の旗が上がってるのが見える。

 

 

 

 

 

「はなせ張遼!! 奴等は私の武を馬鹿にしただけでなくあんな平然と詰めてくるという董卓軍そのものを舐めた事をしているのだぞ!!」

 

「アホゥ!! あんなんどうみても罠丸出しやんか!!

 それに賈駆っちにも言われとるやろ篭城で時間を稼げって。

 やからウチも悔しいんやからアンタも我慢せい!!」

 

「う、うおーーーーーーー!!!!!」

 

 

 

 

 

「……いい感じの怒声も聞こえてきたしそろそろ仕掛けるか。」

 

俺は槍に〝孫〟と書かれた旗を括り付け、出来合いで作った黒い旗を隊の兵士四人に持たせて劉備軍との約束の場所まで向かった。

約束の場所は進軍している周泰・張飛隊と前曲との真ん中くらいだ。

そこにはすでに関羽さんが〝劉〟と書かれた旗を俺達と同じく槍に付けて待っていてくれた。

 

 

 

 

 

「華雄将軍! 連合に動きがあります!」

 

「どうした!?」

 

「はっ! 奴等真ん中に〝華〟と書かれた黒い大きな布を敷いています。」

 

「なにぃ!?」

 

「なんやあれ? まるで華雄隊の旗みたいやん。」

 

 

 

 

 

「よ~し向こうからも見えているな。

 それじゃあ関羽さん行きましょうか。」

 

「あ、ああ。」

 

何となく歯切れの悪い関羽さんと共に5㎡の黒い布の上を歩いて真ん中に書かれた〝華〟の一文字めがけて〝孫〟と〝劉〟の旗の付いた槍を突き刺した。

その後俺達は布から離れ、俺が右手を上げると布を広げて四方で待機していた兵が油を染み込ませた華雄隊の旗もどきに火を点け、あっという間に燃えきって地面に刺さった二つの旗だけが残った。

 

 

 

 

 

「…………………華雄隊、全兵出撃準備。」

 

「か、華雄さん…?」

 

「…………………もう止まらんぞ、張遼。」

 

「華雄将軍! 出撃準備終わりました!」

 

「全軍………、奴等を一兵たりとも生かして返すなーーーーー!!!!!」

 

「「「「「おおおおおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」」」」」

 

 

「ちょ、張遼隊! 虎牢関へ引くで!!

 汜水関はもうあかんと洛陽の賈躯っちにも伝えとき!」

 

 

 

 

 

「汜水関開門!!」

 

「よし先鋒二隊に伝令! 打ち合わせ通り華雄隊の相手はせず左右に広がり汜水関の占拠に勤めよ!」

 

「了解!」

 

「さ~て怒った猪を料理するか。」

 

 

「死ねぇぇぇーーーーーー!!!」

 

怒りのオーラを纏って突撃してくる敵将・華雄。

馬から飛び降り、戦斧を振り下ろす華雄の豪撃を避ける。

 

「なるほど、たいした力だ。」

 

引き抜かれた戦斧の跡は大地に亀裂を残していた。

 

「さっきはよくも我が武と隊の誇りを汚してくれたな!!」

 

「…口の多い武将だな。

 言いたい事があるなら勝負の二文字で語れよ。」

 

「こ、殺すーーーーー!!!」

 

横殴りの一撃に華雄の懐に飛び込み戦斧の握り手の近くを左手と左足で固定した鞘で受け止め。

右手の虎月で一気に切り上げる。

 

「くっ!」

 

後ろに飛ばれて避けられるもすぐに縮地を使い、右肘で鳩尾に追撃をかける。

 

「はっ!」

 

「ぐうっ!!」

 

今度は当たった、再び後ろに飛んで衝撃を反らした様だが立ち上がって構えるのが先ほどよりも遅くなっている。

 

「行くぞ! はぁーーー!!」

 

真上から振り下ろす一撃。

華雄も両手で戦斧を横に構え上げて防御する。

俺は虎月の力を緩め、その瞬間に持ち上がった戦斧の隙を突いて華雄のアゴをめがけ思いっきり蹴り上げた。

 

「があ!!」

 

無防備なアゴへの一撃を受けてよろめく華雄、ホントならあの一撃で立つ事すら出来ないはずなのにまだ立ち上がってくる。

 

「……何故立ち上がる?

 さっきの一撃で力は大幅に下がっているだろう。

 その体で勝てるとでも思っているのか?」

 

「はぁ、はぁ。 たとえ勝てずとも…、せめて一矢報いねば……。

 私の隊の者達に申し訳がたたんのだーーー!!』

 

鬼気迫るとはこのことか…。

 

「いいだろう…、受けて立つ!!」

 

「うおおおおおぉぉぉーーーーー!!!」

 

「はあああーーーーーー!!!」

 

文字通り全てをかけた一撃に俺も答える。

 

 

<ガキィーン!! ヒュルヒュルヒュル ドスン!!>

 

 

「く…そ……ぅ。」<バタッ。>

 

俺の勝ちだ。

華雄の武器は斧の所の柄から破壊され空を舞って地面へと落ちた。

 

 

 

「汜水関守将・華雄! 孫権軍軍師、北郷一刀が討ち取った!!」

 

 

「「「「「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーー!!!!!」」」」」

 

 

 

俺が華雄を倒した時、明命達も汜水関を落としたらしく。

又、もう一人の董卓軍の将である張遼は虎牢関へと引いてしまったようだ。

 

俺は華雄に勝ったとはいえさすがに疲れてその場で倒れてしまった。

結局華雄は武器こそ壊れたが体に大きな傷もなく、今は連合に身柄を捕らえられる事になり、どこかの軍に降るのか処刑されるかはまだ決まっていない。

 

 

俺は戻った陣地で皆に割りとボロカスに言われながらも『お帰り。』と言われ結構嬉しかった。

そして俺と蓮華、明命は劉備軍の陣に出向いた。

 

「いらっしゃい御遣い様!!」

 

「ど、どうも。」

 

いきなり劉備さんに笑顔で出迎えられちょとビックリした。

 

「で、どうだった?

 俺達の事信用してくれた?」

 

「はい! それはもう!」

 

そう言いながら関羽さんが引っ張られて俺の前に立った。

 

「あ、あの………。

 しょ、正直ですね最初の策を考えられた時は〝天の御遣い〟ではなく〝地獄よりの使者〟と言うか〝悪魔の司令塔〟といった感じだったのですが華雄と戦ってる貴方はとても真っ直ぐで最後も相手の武に真っ向から戦って………。

 だから……、その………。」

 

「つまり愛紗はお兄ちゃんに惚れちゃったのだ。」

 

「「「ええっ!!」」」

 

そこらじゅうから上がる驚きの声。

もちろん俺も驚いてます。

 

「だから! それは! ち、違うんだーーー!!!」

 

関羽さんは顔を真っ赤にし、ダッシュでどこかに行ってしまった。 

 

 

「え~と、それで同盟の件なんだけど…。」

 

逸早くフリーズ状態から立ち上がった蓮華が劉備さんに尋ねた。

 

「え!? あっ! は、はい!!

 これから末永くお願いします!!」

 

なんか変わった返事だったけど一応同盟締結って事でいいんだよね。

そして少し待つと関羽さんが帰って来た。

 

「う、うむ。 見苦しい所を見せてすまなかった。」

 

「見苦しくしてたのはお主だけだろ。」

 

「はわわ! 星さん煽らないでくださいよう。」

 

「あわわ、せっかく同盟が無事に結ばれたのに。」

 

「ええ!! と、桃香様!?

 そんな簡単に決められては…。」

 

「ええ~、そうかな~?」

 

なんか微妙に雲行きが怪しくなって来た。

 

 

「蓮華様に一刀様、ホントに大丈夫なのでしょうか?」

 

いきなり真名を許しあった君に言われたくない。

などと思ってたら以外にも蓮華が喋りだし。

 

「あら? そうかしら明命?」

 

 

「「元々信頼なんて形の無い物でしょ。」」

 

そして劉備さんと蓮華、二人の声が重なった。

 

 

「「「………く、あはははは!!」」」

 

「え!? え!?」

 

「な、何を笑っているのだお前達!」

 

「いや、くくく…。

 どうやら良い主をお持ちのようですね皆さん。」

 

「いえいえ、そちらほどではありませぬ。」

 

「そう、そう、桃香お姉ちゃんも孫権お姉ちゃんも良い人なのだ。」

 

訳が分からない二人。

けど二人共この乱世に必要な人達だ。

そう思えただけでも今回の出会いにはちゃんと意味があった。 

 

「ふ~んだ! もういいもん!!

 それより孫権さん、私の真名は桃香って言います。

 今度からそう呼んでください。」

 

「そうか、ならば私も名乗らねば。

 私の真名は蓮華だ、これから宜しくな桃香。」

 

「はい!」

 

そしてお互いの王が真名を名乗りあい、堅く握手した事により。

他の皆も真名をその場に居た全員に預ける事となった。

 

 

 

「それじゃあ、皆でがんばって洛陽で暴政をしている董卓さんを懲らしめましょう!」

 

「ああっーーーーー!!!」

 

桃香の決意に返そうとする俺達だったがそれは明命の大声でかき消された。

 

「ど、どうしたの明命!?」

 

「あぅぅ………、実はとんでもない事実を先ほど報告するのを忘れてました。」

 

「とんでもない事実……だと?」

 

「はい、実は洛陽での調査の結果………、

 

 

   董卓の暴政は真っ赤な出鱈目でした!!」

 

 

 


 
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