No.1063111

スマブラ Stern des Lichts 84 ~ホントの最終決戦へ~

Nobuさん

今回と次回は激しい戦いになるでしょう。
バグなしでマスターハンドを操作できるなんて、感動しましたよ。

2021-05-30 16:50:26 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:635   閲覧ユーザー数:635

 ついに、スマッシュブラザーズはキーラとダーズに捕らえられた全てのファイターを救出した。

 マスターハンドとクレイジーハンドも、キーラとダーズの支配から完全に解放された。

 

「みんな、よく私達を解放してくれた」

「私達のコピーも全員倒してくれて、ありがとう」

「正直、また操られるとは思わなかった。また不覚を取ってしまった……すまない」

「いいんだよ、結果オーライでしょ?」

 マスターハンドは二度目の洗脳を受けた事を謝罪するが、カービィは笑みを浮かべて許す。

「ありがとう、スマッシュブラザーズの代表よ」

「このたびは本当に、感謝する」

「え、えへへへへ……」

 二つの手袋はカービィに心を込めて感謝した。

 カービィは嬉しくて照れてしまい、頭を掻いた。

 

「パルテナ様、本当に無事でよかった……!」

「ピット……心配してくれて、ありがとう」

「けっ、女神のフンめ」

 ピットとパルテナは、互いに手を握り締めた。

 ブラックピットは、冷めた目で二人を見ている。

 だが、彼女の事を全く認めていないわけではなく、その証拠に、彼は目を離さなかった。

 

「お帰り、みんな」

 マリオは改めて、スマブラメンバー全員を見返す。

 キーラとダーズに囚われたファイターは、もう、どこにもいなかった。

 後は、彼らを倒せば、この世界は救われる――

 

「とにかく、これでみんなをキーラとダーズの支配から解放できたわ」

「スピリッツも均等に解放できたみたいしね」

 ドクターとベルが空を見上げる。

 光と闇のオーラは、二人の言う通り、均等に広がっていた。

 これでキーラとダーズを倒す事ができる。

 スマッシュブラザーズは歩みを止めず、光と闇が混ざる空間の最も奥に辿り着いた。

 すると、マスターハンドとクレイジーハンドが、交差するように飛んでいく。

 互いに身体をすり合わせ、エネルギーが発生する。

 エネルギーを纏ったマスターハンドとクレイジーハンドは勢いよく空間に体当たりした。

 すると、空間に開いた亀裂が大きく広がり、大きな渦となって姿を現した。

「この先に、キーラとダーズがいる」

「だが、ここから先に行けば、決着がつかない限りこの空間には戻れなくなる」

「……それでも」

「行くのか?」

 マスターハンドとクレイジーハンドが、後戻りはできない、と最終警告をする。

 もし負けてしまえば、争いの世界の未来はない。

 それでも、スマッシュブラザーズ全員の表情に、迷いは一切見られなかった。

「当然だ! 争いの世界を滅茶苦茶にしたキーラとダーズを、そのまま放っておくわけにはいかねぇ!」

「皆を利用したという罪を、その身に受けてもらうために……」

「たとえ何が起こっても、僕達は絶対に諦めない!」

「俺達の未来は俺達で決める……キーラとダーズなんかに、未来を決められてたまるか」

 スマッシュブラザーズを代表して、マリオ、リンク、カービィ、ピカチュウは言う。

 覚悟を決めた四人の目を見て、マスターハンドとクレイジーハンドは頷いた。

 

「私達が道を拓く、君達は先に進め!」

「ああ! 行ってくるぜ!」

「絶対に勝って、帰ってくるからね!」

 スマッシュブラザーズは全員、空間の向こう側に飛び込んでいった。

「こうして全力で戦えるとはな」

「ああ、いつぶりなのだろうか」

「この世界が解放される事を、わたしは信じておりますわ」

「前だけ見なさい、背中はお守りいたします」

「ガギャアアアアアアアア!」

「勘違いするなよ、リドリー。私とアンタはあくまで、利害が一致しただけさ」

 その場に残ったのは、マスターハンド、クレイジーハンド、アイシャ、ドリィ、リドリー、ダークサムスの六人だった。

 アイシャとドリィは主のため、リドリーとダークサムスは利害の一致のため。

 だが、この世界を救いたいという気持ちは、変わらなかった。

 

「……来たぞ!」

「ええ!」

「スマッシュブラザーズよ、世界はあなた達が救うのです」

「私達もこの戦いに勝つ!」

 亀裂の中から、光と闇のファイターが現れる。

 マスターハンド達は彼らを迎え撃つべく、戦闘態勢に入った。

 

「ゆくぞ!」

「せいやぁっ!」

 マスターハンドが手を叩きつけて、光と闇のファイターを一掃する。

 クレイジーハンドも暴れ回ってキーラとダーズの手下を攻撃した。

「流石ですわ、マスターハンド様!」

「クレイジーハンド様……」

 アイシャとドリィは、この世界の神であるマスターハンドとクレイジーハンドに感心した。

 だが、ただ立っているだけでは従者とは言えないため、アイシャとドリィも主を援護しに入った。

「キーラサマ、キーラサマ、キーラサマ!!」

「させません! ド・ゲイト・デ・テラ・マ・ギ!」

 ドリィは光のファイターに魔法の矢を乱射する。

 まともに食らった光のファイターは次々に光となって消滅した。

 アイシャは闇のファイターに対し、防戦している。

「ゴガアアアアアアアアアアアア!!」

「フェイゾンに飲まれな!」

 リドリーとダークサムスは全力で光と闇のファイターを攻撃した。

 その攻撃は苛烈にして過激、全く容赦がなかった。

「くっ、まだ来るか!」

 しかし、光と闇のファイターが消える気配はない。

 それどころか、周りの力を吸収してさらにパワーアップして襲ってきた。

「ぎゃああああ!」

「危ない!」

 ダークサムスは場外に吹っ飛ぼうとしたが、マスターハンドが彼女を受け止めた。

「アンタ、何するんだい!」

「文句を言っている場合じゃない。君もスマッシュブラザーズの一員なんだ。宿敵が消えるのは、困るだろう?」

「……当たり前さ!」

「だったら、私達と協力するんだ」

「分かったよ……」

 今はいがみ合っている場合ではない。

 ダークサムスは渋々ながらも、武器を構え直した。

 

「きゃぁぁぁっ!」

「ゴガアアアアアアアアアアアア!!」

 アイシャに襲ってきた闇のファイターは、リドリーブレスにより燃え尽きた。

 さらに、リドリーは油断した光のファイターに不意打ちをかけて体力を徐々に削り、まとめて掴んで動けなくする。

 すぐに相手を倒すよりも、いたぶる方がリドリーは好きなのだ。

 

「皆様……」

 アイシャは、キーラ襲撃の時に逃げてしまった。

 だが、今は逃げずに敵に立ち向かっている。

 全ては謝罪のために、そして、争いの世界に平和を取り戻すために。

「ふふふ、頑張っていますね」

「ドリィさん……」

 そんなアイシャの隣で、ドリィは微笑んでいた。

 彼女のその姿に、感心したからである。

 最早敵味方の区別は無く、皆、一丸となって、キーラとダーズの脅威に立ち向かっていた。

 これこそが、真のスマッシュブラザーズだろう。

 

「私達は必ず、光と闇に勝つ!」

「だから、信じてくれ!」


 
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