No.1062183

スマブラ Stern des Lichts 73 ~謎の空間~

Nobuさん

闇の世界・カービィ編のスタートです。
この空間も、なかなかカオスでしたね。

2021-05-19 11:06:56 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:474   閲覧ユーザー数:474

 その頃、カービィ達はというと。

 

「どうでもいいけど、ボク達ここまで空気になってない?」

「確かに……こんな場所に来てからね」

 シャドウやベルと同じく、見慣れない場所に飛ばされてしまった。

 ちなみに、今喋っているのは、ここまで出番がなかったバンジョーとカズーイである。

「ごめんごめん、すっかり忘れてた。でも、みんないなくなっちゃったね……」

 今、カービィと一緒にいるスマブラメンバーは、ピカチュウ、シーク、アイスクライマー、ウォッチ、ドクター、ロート、ピット、スネーク、

 ロックマン、パックマン、ソレイユ、リュンヌ、シモン、バンジョーとカズーイ、ジュカイン、アイシャ、ダークリンクの17+1人だ。

「これからどうしよう……」

 みんなとはぐれてしまい、帰るような道もない。

 カービィが途方に暮れていると、アイシャが彼をひょいっと持ち上げた。

「どうしました、カービィさん? いつもの元気がありませんね」

「わわっ、何するのアイシャちゃん!」

「カービィさんはどんな時も明るく元気なはずです。なのに、こんなに落ち込むなんて、カービィさんらしくありませんよ」

 確かに、今のカービィは落ち込んでいる。

 そんなのは彼らしくないだろうと、アイシャが気遣ってくれたのだ。

 カービィは少し迷うが、アイシャの好意に答えないわけにはいかないと、素直ににこっと微笑んだ。

「……そうだよね。元気じゃないとね。ありがとう、アイシャちゃん。よーし! 頑張るぞー!」

 ぶんぶんと小さな腕を振るカービィ。

 いつもの彼に戻ったアイシャは、安心して微笑むのだった。

 

「じゃ、脱出方法を考えよう」

「そうだな。……っと、ちょっと待て」

 先に進もうとするとダークリンクのボディに宿ったタートナックのスピリッツがいた。

「傀儡となったスピリッツだな。私が解放しよう」

 タートナックをシモンが解放すると、分厚く覆っていた暗黒の雲が晴れた。

 岩の床が宙に浮いており、奥には町や森があり、罅割れて先に進めないところもある。

 簡単に言えば……「カオス」だ。

「……何、これ」

「どんな場所なんだよ……」

 カービィはあまりのカオスさにぽかんとする。

 アイスクライマー、パックマン、ジュカインも頭に?マークを浮かべていた。

 さらに、罅割れた場所にはクレイジーハンドと鎖で縛られた赤い帽子の男もいた。

 最近スマブラメンバーになったばかりの、テリー・ボガードだ。

「テ、テリくん!」

「彼も被害者になるとはな……」

 同じ異世界の住人であるシモンが冷静に言う。

「た、助けてよ!」

「もちろんそのつもりだ。だが、落ち着け。慌てたら相手の思う壺だ」

「そ、そ、そうだね、シモ兄……」

 シモンに言われたカービィは逸る気持ちを抑えた。

「とはいえ、こんな不思議な空間は、さっさと脱出しなくちゃな」

 カービィ一行が北東に向かって走ると、ロックマンのボディに宿るアクセルのスピリッツを発見した。

 ジュカインが楽々解放した後、一行は色とりどりのキューブを見ながら足場を歩いていく。

「綺麗だね」

「そうね」

 アイスクライマーがキューブを見てそう言う。

 しかし、不気味な空間にぽつんとあるキューブが、逆により一層不気味な空間にしていた。

 そして、橋を渡ろうとした一行は、クレイジーハンドと闇の呪縛を受けたテリーと対峙する。

「頼むぞ、ブレイズ」

 ロートは、リザードンのブレイズが入ったモンスターボールを持っている。

 クレイジーハンドとテリーには、ロート、スネーク、ジュカイン、アイシャ、ダークリンク、バンジョー&カズーイの四人と一匹と一頭と一羽が挑む。

「強そう……でも、諦めないよ、カズーイ」

「あったりまえよ! あたいとバンジョーの絆はとっても強いのよ!」

「今、助けますわ、テリーさん!」

「気は進まんが、仕方ねぇな」

 アイシャは懐から包丁を抜き、ダークリンクは魔剣を構える。

「さあ、いくぞっ!!」

 スネークの掛け声と共に、戦闘が始まった。

「それっ!」

「やあっ!」

 バンジョーとカズーイはクレイジーハンドとテリーを同時に攻撃する。

 ジュカインはいあいぎりを放つが、クレイジーハンドとテリーには当たらなかった。

「うわっとと!」

 ダークリンクは躓いてしまい、魔剣が上手く振り下ろせなかった。

「ブレイズ、かえんほうしゃ!」

「リザァァァァァ!」

「こっちですわ!」

 ブレイズはロートの指示で、口から火炎を放つ。

 アイシャは様子を見つつ、味方を援護する。

「そこだ!」

 スネークはアイシャの援護を受け、クレイジーハンドにギリギリで狙撃銃を当てた。

 アイシャはクレイジーハンドとテリーの攻撃をギリギリでかわし、包丁で反撃する。

 

「……バーンナックル」

「危ないですわ!」

「わわっとと!」

 テリーは炎を纏った拳を振り、バンジョーとカズーイに突っ込んでいく。

 アイシャのおかげで、バンジョーとカズーイは何とか攻撃をかわす事に成功した。

「はっ!」

「ギャアアアアアアアアアアア!!」

 ダークリンクは何とか、魔剣をクレイジーハンドに当てる。

 その一撃が効いたのか、クレイジーハンドは叫び声を上げる。

「いくわよ!」

 カズーイは口から卵爆弾を放ちクレイジーハンドに追撃する。

「エナジーボール!」

「ブレイズ、いわくだき!」

「リザァァァァァッ!」

 ジュカインはエネルギー弾を放射状に放ち、クレイジーハンドの体力をそこそこ、テリーの体力を少し減らす。

 ブレイズもテリーをいわくだきで殴りつける。

「身支度を! ……きゃぁぁっ!」

 アイシャは手早く身支度を手伝い、味方全員の攻撃へ対する回避率を一時的に向上させる。

 だが、アイシャ本人の回避力が下がったため、クレイジーハンドの攻撃を受けてしまった。

 

「なんて強さだ……」

「俺の攻撃も、なかなか当たらなかったぞ」

 ロートとスネークは、クレイジーハンドとテリーの強さに唖然とした。

 闇の呪縛を受けたとはいえ、この強さなのだから。

「カズーイ……これ、負ける気がしない?」

「馬鹿! 何言ってるのよ! あたいとバンジョーが負けるわけないでしょ!」

 弱気になるバンジョーを叱咤激励するカズーイ。

「そうだよね、カズーイ……うん、負けないぞ!」

 元気を取り戻したバンジョーは、クレイジーハンドに突っ込んでいく。

 ジュカインとテリーは互いの攻撃をかわす。

「これで、どうですの?」

 アイシャはボム兵をクレイジーハンドに投げる。

 ボム兵は大爆発し、テリーにも僅かなダメージを与えた。

「おらぁっ!」

 ダークリンクは魔剣を薙ぎ払い、クレイジーハンドを切り裂いた。

 その一撃により、クレイジーハンドは倒れ、無防備になった。

「このまま決めるぞ!」

 ダークリンクは魔剣を連続で振ってクレイジーハンドを攻撃する。

「シザークロス!」

 ジュカインはテリーを十字に切り裂いて怯ませる。

 バンジョーとカズーイはクレイジーハンドに突っ込んで連続攻撃した。

「ブレイズ、フレアドライブ!」

「リザァァッ!」

 ブレイズは炎を纏った突進で、クレイジーハンドに大ダメージを与える。

 アイシャは身を守り、相手の出方を伺った。

「はっ!」

 スネークは麻酔銃を取り出し、テリーを撃ち、彼を無力化する事に成功した。

「後はクレイジーハンドだけだが……」

 テリーを無力化したため、残る敵はクレイジーハンドのみ。

 だがクレイジーハンドは攻撃の手を緩めない。

「グギャァァァァァァァァァァァ!!」

「ぐわぁぁぁっ!」

「きゃぁぁぁっ!」

 クレイジーハンドは大暴れして、全員に大ダメージを与える。

 六人はダメージが蓄積し、ふらふらしていた。

 だが、これがクレイジーハンドの最後の足掻きなのか、これ以上強力な攻撃はしなくなった。

「このまま一気に決めるぞ!」

「ああ!」

 ダークリンクは魔剣から衝撃波を飛ばし、ブレイズはかえんほうしゃ、バンジョーとカズーイはワンダーウィングで攻撃する。

「殺菌消毒ですわ!」

 アイシャは調理器具を大量に取り出し、クレイジーハンドに連続で投げつける。

「ブレイズ、フレアドライブ!」

「ギャアアアアアアアアアアアアアア!!」

 何度も攻撃を食らったクレイジーハンドに、ブレイズがフレアドライブで突っ込んでいった。

 そして、今の一撃でとどめを刺されたクレイジーハンドは爆発四散するのだった。

 

「う、う~ん……ここは、どこだ?」

 ダーズの呪縛から解放されたテリーは、瞬きしながら起き上がる。

 彼の眼は、元の青色に戻っていた。

「ジツハ、カクカクシカジカデス」

 ウォッチは、これまでの事情をテリーに話した。

「ああ、大体分かったぜ。要するに、みんながバラバラになったから、合流したいんだろ?」

「ソウデスネ。コノニンズウデハ、チョットココロボソイノデ、アナタモイッショニイキマショウ」

「ああ、そのつもりだ。おっと、自己紹介を忘れてたな。俺はテリー・ボガード、よろしくな!」

「ヨロシクオネガイシマス」

 ウォッチとテリーは、お互いに握手した。

 こうして、伝説の狼、テリー・ボガードが仲間に加わるのであった。

 ~ベルのスピリッツ名鑑~

 

 タートナック

 出身世界:ハイラル

 性別:不明

 鎧を着て剣と盾で武装したモンスター。

 盾によるガードは堅く、剣術や足蹴りなどで攻撃をしてくる。

 その剣術はかなりの腕前で、その辺の雑魚とは一線を画する。

 

 アクセル

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性型

 いつ、誰が、何のために作り出したのか不明。

 自警団に拾われたが仲間がイレギュラーになり、イレギュラーハンターになる事を決意した。


 
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