ピーチを救出し、残るはキーラのバリアを守る大きな敵のみ。
一行は拳を握り締め、大きな敵が待つ場所に繋がる道を歩く。
「いよいよ二体目のボスが待つな」
ガレオム以来のボスが、この溶岩城に待ち受けている。
倒せば、キーラを守るバリアがさらに弱まる。
「いいか、みんな。この戦いに必ず勝つんだ。俺達スマブラメンバーを信じてくれ」
マリオはスマッシュブラザーズの代表として、この場にいる皆を応援する。
「私も応援するわ。世界を救うためだもの、ここでへこたれるのはスマッシュブラザーズの名が廃れるわ!」
「サンキュー、ピーチ!」
「いいって事よ」
ピーチはマリオに向けてウィンクした。
そして、一行はボスが待ち受ける場所へ歩いた。
しかし、そこにルフレのボディに宿る、紫の髪をした闇魔道士が立ち塞がった。
「僕は魔王、人の弱さを知らぬ強く完全なる王」
「あなたが魔王リオンですのね。わたしがお相手いたしますわ!」
アイシャは戦闘態勢を取り、リオンと戦った。
「ありが……とう……」
「はぁ、はぁ……」
何とか、アイシャはリオンを撃破した。
魔王というだけあって強大な魔力を持っていたが、アイシャはそれに抵抗して打ち勝ったようだ。
「さあ、どこからでもかかってきなさい!」
「おっ、やる気満々だな、アイシャ」
「マスターハンド様を助けるためですもの……!」
アイシャの主であるマスターハンドは、今もキーラに利用されている。
彼女はそれが悔しくてたまらず、死に物狂いで戦っているのだ。
「さあ、来なさい! ボスは誰ですの!?」
アイシャがそう叫ぶと、玉座らしき場所に何者かが落ちてきた。
“それ”は――鋭い爪と角、赤い鬣と眉毛を生やした亀族の大魔王、クッパだった。
クッパが四つん這いになると彼を闇のオーラが取り囲み、巨大化して瞳は赤くなり、鋭い牙が生えた。
そう、クッパは今、ギガクッパに変身したのだ。
「グガアアアアアアアアアアアア!!」
「……来るぞ!! みんな、身構えろ!!」
マリオの掛け声と共に、彼とカービィ、アイシャ、ピーチは身構えた。
「はぁっ!」
マリオは炎を纏った掌底をギガクッパにぶつける。
だが、ギガクッパはそれで怯む事はなく、マリオを爆炎の頭突きで攻撃する。
「ぐあぁぁっ!」
ギガクッパに変身しているだけあり、その威力は普通のクッパとは比べ物にならないほど高かった。
カービィは空中から回し蹴りで連続攻撃し、アイシャは後方から皿を投げる。
「そぉーれ!」
ピーチはフライパンを取り出し、ギガクッパに向けて振り下ろす。
カァン、という快音が鳴った……が、ギガクッパはまだ怯まない様子。
「ちょっと、こいつどれだけ固いの? っきゃぁ!」
「「うわぁ!」」
ギガクッパは甲羅の中に入って回転し、手近な対象を連続攻撃する。
甲羅の棘がマリオとカービィに刺さり、二人は浅くない傷を負う。
「みんなげんきになあれ!」
ピーチは回復呪文を唱え、傷ついたマリオとカービィの体力を回復する。
「サンキュー!」
マリオはピーチにお礼を言った後、ファイアボールで攻撃し、その隙にギガクッパに突っ込んでファイアナグーリで大ダメージを与える。
「えいっ!」
「やぁっ!」
カービィは短い脚からのキックを放ち、アイシャは包丁をギガクッパに突き刺す。
ギガクッパは口から炎を吐いたが、マリオはシールドで防御し、カービィは空を飛んで回避する。
「みんな、今がチャンスだ!」
「いっくよー!」
「参りますわ!」
「うふふっ♪」
マリオはギガクッパが炎を吐くのをやめた隙に号令をかけ、全員が一斉攻撃をする。
カービィは飛び蹴りと回し蹴り、アイシャはビンタと包丁、ピーチはフライパンとゴルフクラブ、そして最後にマリオがファイア掌底を放った。
四人の攻撃を受けたギガクッパはついに倒れた。
「よし、やったか!?」
マリオが喜ぶのも束の間、ギガクッパはゆっくりと起き上がる。
そして、ギガクッパは大声で叫び出し、そこから生じる突風がマリオ達に襲い掛かる。
「ぐぅぅぅ……!」
「凄い風圧……!」
「でも、耐えてください……!」
「ええ、踏ん張るわ……!」
マリオ、カービィ、ピーチ、アイシャは何とかギガクッパの風圧を踏ん張った。
「グガアアアアアアアアアア!!」
「やるじゃねぇか、クッパよぉ……いや、今はギガクッパか」
マリオとクッパの宿命の対決は、何度も続いた。
操られていても、二人の目は本気だった。
「キーラに邪魔されるのは本望じゃないとはいえ、本気で戦っているのね」
「うん、マリおじちゃんは本気だよ」
「それなら、私もマリオと一緒に戦うわ。一人じゃないって事を教えてあげるために」
ピーチはフライパンを構え、共に戦う事を改めて決意した。
カービィとアイシャも、彼女に続いて構えた。
「うおぉぉぉぉぉぉっ!」
「ファイナルカッター!」
マリオはギガクッパに突っ込んでボディブローを放つ。
カービィはファイナルカッターで追撃し、アイシャはピーチの補助魔法で強化された調理道具を投げまくる。
ギガクッパは巨大な顎による噛み付き攻撃で前にいたマリオとカービィを攻撃、続いてピーチを掴み投げ飛ばした。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「グオオォォォォォォォ!」
続いてギガクッパは高く飛び上がり、ギガクッパドロップを繰り出す。
「みんな、守れ!」
「はい!」
マリオの号令で全員がシールドを張ってギガクッパドロップを防ぐが、シールドは大きく削られる。
「くそっ、なんて馬鹿力だ……!」
「本当に倒せますの……!?」
マリオ達が不安になる中、ただ一人、ピーチだけは真っ直ぐに前を見ている。
「何を諦めているのかしら? 最後まであがいてあがいてあがくのよ」
「あがく……そうか! おい、ギガクッパ! 俺達は最後まであがくからな! その無様な姿をよく目に焼き付けておけよ!」
「グオオオォォォオオオオオオ!!」
マリオの挑発に乗ったギガクッパは叫び出し、エリア全土に火の海を放つ。
「「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」
「「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」
全員が強烈な威力の炎に飲み込まれていく。
骨まで溶けてしまいそうだったが、四人は何とか持ちこたえた。
「はあ、はあ……みんな、大丈夫か?」
「はい……でも、このままじゃみんな倒れます……」
「そんな時こそ、私に任せて! みんあげんきになあれ!」
ピーチは再び回復魔法を唱え、全員が負った傷を癒した。
「ここまでギガクッパの攻撃は強くなったんだから、相手の体力はあと僅か。さあ、もう一踏ん張りよ!」
「おう!」
「グオオオォォォオオオオオオ!!」
ギガクッパは再びエリア全土に火の海を放ったが、四人はそれを見切って攻撃をかわす。
アイシャがビンタしてギガクッパを攻撃した後、カービィは回し蹴りを放つ。
ピーチはヒステリックボムを爆破させ、マリオがギガクッパに突っ込んでいった。
「これで、とどめだ! ファイア掌底!!」
「グアアアアアアアアアアアアアアア!!」
そして、マリオが渾身の力を込めたファイア掌底を放つと、ギガクッパは叫び声と共に地に伏せた。
すると、ギガクッパは見る見るうちに縮小し、次第に元の大きさに戻っていく。
数分後、変身が解けて元のクッパに戻った。
「……うぅ……身体中が痛いのだ……」
正気に戻ったクッパは、痛みから動けないでいた。
その表情に、いつものクッパらしさは無い。
「今、ドクターが治してやるからな」
マリオはクッパを心配している。
宿敵同士であったが、こんなところで死なれるのはマリオの本意ではないのだ。
「これで、よしと。はぁ……こんなに働いてばかりで、くたくたになっちゃうよ」
クッパを治療し、汗を拭うドクター。
しかし、何度も治療してばかりいるため、ドクターはうんざりした表情をしていた。
「ごめんよ、ドクター」
「……まあ、それはいいとして、君もキーラに操られた被害者なんだろう?」
「その通りだ。我輩の炎をいとも簡単に打ち消したあの光……キーラめ、落とし前は必ずつけてもらうのだ!」
クッパは悔しさのあまり、強く拳を握り締める。
大魔王である自身を利用した怒りは大きかった。
「あ、クッパ」
ふと、ピーチが口を開く。
「何なのだ? ピーチ」
「クッパが王冠を被ったら、私以上にスタイル抜群なお姫様になったりして」
「認MEN! 我輩が女になる事など、認MEN!」
ピーチがクッパを茶化すように言うと、クッパはムキになって叫んだ。
「……ピーチ、何やってるの? クッパがお姫様? 変なの」
「クッパをからかってるだけだから気にするな」
ベルはそんなピーチとクッパのやり取りに呆れていた。
マリオは乾いた笑みを浮かべてベルにそう返した。
「くっ……!」
ギガクッパが撃破された事で、キーラを守るバリアがさらに弱まった。
彼女はスマブラメンバーがバリアを破ってきたという怒りから身体を震わせている。
「おのれ、スマッシュブラザーズめ……! だが、バリアを破ったくらいでいい気になるな。我を簡単に倒せると思ったら大間違いだぞ……!」
~ベルのスピリッツ名鑑~
リオン
出身世界:戦記の世界
性別:男性
グラド帝国の皇子でエイリークとエフラムの友人。
本来は優しい性格だが、ある理由で魔石を利用し、魔王にその身を支配されてしまった。
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ギガクッパとの戦いです。
最も偉大なる悪役が、ここに降臨します。