電力プラントでピチュー、街でマックを解放した一行は、安全な場所で休憩を取っていた。
リンクは周りにいた魔物を使って料理を作り、それを一行に振る舞っていた。
「美味いな、この料理」
「リンクから継いだからな」
今のリンクは利き手や性格こそ異なるものの、記憶や能力は受け継がれている。
スマブラメンバーはそれを承知した上で、リンクと付き合っているのだ。
「もう少しまともな料理が欲しかったんだが」
「すまないな、魔物を食材に使ってしまって」
「でもこれ、とっても美味しいよ!」
「何杯でも食べられますよ~」
「もっと食べたいヨ!」
カービィ、ヨッシー、パックマンの大食い組には魔物料理は好評だったようだ。
リンクは「ははは」と苦笑いしながら、残っている材料を料理に使うのだった。
「ごちそうさま」
リンクの魔物料理を食べ終わった後、食器を洗って片付ける。
その後、ベルは立ち上がってスピリッツを感知する体勢に入る。
「次も目的地……あっちね」
ベルは、キノコがたくさん茂っている場所を赤い瞳でじっと見つめていた。
「お、キノコがたくさんあるじゃないか」
「そこに、三体のファイターを確認したわ。動物と宇宙人みたいだけど……行ってみる?」
「当然だ! そいつもキーラに操られてるなら、とっとと助けないとな!」
マリオは迷わず、ベルの意見に賛成する。
他のファイター達も頷き、一行の次の目的地はキノコの谷に決まるのだった。
「うぉぉ~! キノコがいっぱいある~! これ、全部食えるのか?」
「毒キノコもあるよ?」
ハリマロン、ライン、ブル、ブリトニーを解放しながら、一行はキノコの谷を探索する。
マリオは、キノコの谷に生えているたくさんのキノコを見て騒いでいた。
「でも、毒キノコで料理は作りたいな。仮に毒があってもカービィなら平気だろう」
「やだよ、毒キノコ食べたくない!」
カービィはマリエルという不味い敵を思い出し、毒キノコを食べるのを拒否した。
「いや、冗談だ」
「今のリン兄が言うと冗談に聞こえないよ……」
道中でキーラの呪縛を受けた野良スピリッツが一行に襲いかかるが、スマブラ四天王の活躍により皆、退ける事ができた。
「流石はスマブラ四天王、動きに無駄がないな」
「へへっ、ありがとよ!」
「わーい!」
「「ふっ」」
不敵に笑うリンクとピカチュウ、素直に喜ぶマリオとカービィ。
性格も多種多様だがその力と絆はとても強いのだ。
「見つけたわ!」
そして、ベルがキノコの上を歩いて行くと、オリマーと熊と鳥が縛られている台座を発見した。
しかし、台座に行くためのキノコは小さく、とても全員が乗れるものではない。
どうすればいいかとベルが考えていると、スピリッツボールからナチュレのスピリッツが出てきた。
「あ、ナチュちゃん!」
「じゃから妾はナチュレじゃ! ……コホン。キノコを成長させる事など、自然王である妾には造作など無い。ゆけい!」
ナチュレが杖を振ると、小さかったキノコがみるみるうちに大きくなり、皆が通れる大きさになった。
彼女は役目を果たすとすぐにスピリッツボールの中に戻っていった。
「ありがとね、ナチュちゃん!」
カービィはスピリッツボールのナチュレに笑顔でお礼を言った。
「さて、ファイターは誰がいるのかしら?」
「行こう、行こう!」
一行が大きくなったキノコを渡ると、ファイターが捕まった台座の前に辿り着いた。
ベルは歯をくいしばった後、光の鎖目掛けて大鎌を振りかざし、光の鎖を切り裂いた。
鎖から解放されたファイターが赤い瞳をぎらつかせて襲いかかってくる。
一人はホコタテ星人のオリマー、一頭と一羽はかつてドンキー達の世界にいたバンジョーとカズーイだった。
敵に回ってしまったかつての友を見て、ドンキーは歯を食いしばり握り拳を作る。
「バンジョー、カズーイ……操られていて苦しいだろう。今、オレが助けてやるからな」
「来るわよ!」
「うん!」
「かかってこい!」
カービィ、ベル、マック、フォックス、スネーク、ドンキーは、三人の操られたファイターに戦いを挑むのだった。
「おりゃあっ!」
ドンキーは腕をぶん回すが、オリマー、バンジョー、カズーイは攻撃を楽々と回避する。
オリマーはピクミン達に指示を出し、六人の動きを制限する。
「きゃ! 何するのよ!」
「キーラサマニサカラウモノハコロス……」
ベルはまとわりつくピクミンを払いのけ、オリマーを大鎌で切りつける。
バンジョーはマックに殴りかかるが、マックは攻撃をかわし、ボディブローを叩き込む。
スネークはオリマーに麻酔銃を撃って眠らせ、無防備にする。
「バンジョー、カズーイ! オレが分からないのか!? 目を覚ませ!」
ドンキーはバンジョーとカズーイに呼びかけながら連続で殴る。
だがバンジョーとカズーイは怯まず、ドンキーに突っ込んでいき彼を吹っ飛ばした。
「マケタラキーラサマニケサレルカラ、ボクタチハゼッタイニマケナイ」
「馬鹿な事はやめるんだ!」
「アンタガバカナクセニ……」
カズーイはマックに爆弾を投げつけ、爆発の衝撃でマックは目が眩んだ。
「くそ! 道具を使うのは卑怯だぞ!」
「やめたげてよお!」
カービィはハンマーを振り回してバンジョーとカズーイ、オリマーを薙ぎ倒す。
オリマーは立ち上がって紫ピクミンをカービィに投げる。
「あいたたた、いたたた!」
「……ケシサッテヤル」
「させん」
スネークはオリマーの背後に回り込んで彼を持ち上げ、地面に叩きつける。
そこにフォックスがブラスターを連射してオリマーの体力を削った後、フォックスがとどめに回し蹴りを放ってオリマーを倒した。
「よし、やった!」
「後はバンジョーとカズーイだけだな。待ってろよ、今光の中から出してやるからな」
バンジョーとカズーイをよく知っているドンキーは一刻も早く彼らを助けたいと思い、一頭と一羽に突っ込んでいった。
「援護するよ! ファイナルカッター!」
「はぁぁぁぁっ!」
カービィはカッターを飛ばしてバンジョーとカズーイを同時に切り裂く。
フォックスはリフレクターでカズーイの卵爆弾を防御しつつ、ブラスターで遠くから安全に攻撃する。
「ドンキー、俺達を信じろ。あの熊と鳥は必ずキーラから取り返せる」
「ああ、分かってるぜフォックス」
動物同士互いに応援し合うドンキーとフォックス。
バンジョーとカズーイは赤い瞳でぎろりと一頭と一匹を睨みつけた。
「キサマラ!」
「イキテカエレルトオモワナイデネ!」
「ふっ!」
ベルは突っ込んできたバンジョーとカズーイの前に魔法陣を設置する。
バンジョーが魔法陣を踏むと、闇の棘がバンジョーとカズーイを貫いた。
「ギャアアアアアア!」
「どう? 私の闇魔法は。光に堕ちているあんた達には痛いわよ?」
「キ……」
「キッサマァァァァァァァァァ!!」
「よっと!」
ベルはバンジョーとカズーイの攻撃をかわし、背後に回り込んで大鎌で切り裂く。
「そーれ!」
「ウ……」
「グ……」
カービィはストーンに変身してバンジョーとカズーイを押し潰す。
彼らの猛攻により、一頭と一羽の体力は残り僅かになっていた。
ドンキーはそれを見逃さず、ぐるぐると腕を回して力を溜める。
「バンジョー……カズーイ……オレの目を……見ろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ウワアアアアアアアアア!」
「キャアアアアアアアアア!」
ドンキーの、渾身の力を込めたジャイアントパンチがバンジョーに命中すると、
爽快な音と共にバンジョーとカズーイは遠くに吹っ飛ばされるのだった。
「う、う~ん……」
「ここは、どこ?」
「私は一体何をしていたのだ……」
戦闘が終わり、オリマー、バンジョー、カズーイはキーラの呪縛から解放され、正気に戻った。
ドンキーはすぐにバンジョーとカズーイに駆け寄り、彼らの顔にそっと腕を当てた。
「大丈夫だったか? バンジョー、カズーイ」
「ボクは……ちょっと疲れちゃったかな」
「あたいも勝手に身体を動かされてくたくたになっちゃったわ」
「でも、お前達が無事でよかったぜ。本当に……!」
離れ離れになった旧友との再会に、ドンキーは心から喜んだ。
そんなドンキー、バンジョー、カズーイの様子を見たオリマーがベルに声をかける。
「あの二頭と一羽は仲が良いのか?」
「ええ、かつては同じ世界にいたのよ。でも、ある事情で離ればなれになっちゃって……だけど、今、ここで再会したのよ」
「互いに忘れていないほど、友情は厚いようだな」
「そうね……友情っていうのは、誰にも切り離せないものだわね……」
戦いを終えてしばらくした後、オリマー、バンジョー、カズーイは改めて一行に自己紹介をした。
「私の名前はキャプテン・オリマー、ホコタテ運送で働いているホコタテ星人だ」
「ボクはバンジョー、こっちは相棒の」
「カズーイよ! よろしくねっ♪」
「「「よろしく(お願いします)」」」
こうして、宇宙を旅する一寸の男と、種族と性別の差を超えた一頭と一羽の友情を、ファイター達は救ったのだった。
~ベルのスピリッツ名鑑~
ハリマロン
出身世界:ゲフリアース
性別:♂♀両方存在するが♀はかなり少ない
カロス地方の御三家の一匹で、いがぐりポケモン。
くさタイプで、特性はしんりょく、隠れ特性はぼうだん。
普段柔らかい頭のトゲは、力を込めると鋭く尖り、岩をも貫くほど固くなる。
ライン
出身世界:ゼノワールド・並列世界3
性別:男性
シュルクとフィオルンの幼馴染の青年。
明るい性格で、考えるより先に行動するタイプ。
戦闘ではバンカーを使って味方の盾となる。
ブル
出身世界:キノコワールド
性別:♂
アメフト選手のような格好をした亀族。
主にタックルして攻撃する。はっきりいってや~なヤツだぞ。
ブリトニー
出身世界:とある星
性別:女性
コッパイ星を代表する植物学者の女性。
しっかり者で、ちょっと食いしん坊なところも。
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