パックマンを仲間にした一行は、談笑しながら南西に向かっていった。
「まん丸で何でもパクっと食べるなんて、僕とおんなじだね!」
「そうだネ!」
カービィとパックマンは、似た者同士という事ですぐに仲が良くなっていた。
実際に、カービィがパックマンをコピーした時、大して容姿が変わらないのがその証だ。
「……屋敷の食費は、こいつら大食いカルテットのメンバーが大半を占めてるけどな」
大食いカルテットとは、ヨッシー、カービィ、パックマン、そして瑠璃の事である。
彼らはスマブラメンバーの中でも、特にたくさん食べるため、スマブラ屋敷の食費は大食いカルテットの割合が高いのだ。
「ん? どーしたノ、ファルコン? 何かぶつぶつ言ってるヨ?」
「あ、いいや、なんでもないぞ」
こうして南西に行くと、自然豊かな場所とは正反対の、基地らしき場所の入り口に着いた。
入り口の赤い光が、強力なスピリッツが眠る事を象徴している。
しかし、そこに行くための道には、三人のスピリッツが立ち塞がっていた。
内訳は女性二人、男性一人だ。
「これは……告白する価値がありそうね」
「告白?」
「そうよ。Dr.ストレンジラブ! 私は、あんたが好きよ! だからここを通して!」
ベルは目の前にいる女性のスピリッツ、Dr.ストレンジラブに告白をした。
「却下」
しかし、告白に失敗し、ベルはビンタ攻撃を受けてしまう。
「っつー……せっかく告白しようとしたのに」
「戦わなければ通さない」
「やるしかないみたいだネ。いくヨ、カービィ!」
「うん!」
パックマンとカービィは、Dr.ストレンジラブに戦いを挑んだ。
「……この人、女の人が好きなんだネ」
「ストレンジラブ、だからね」
Dr.ストレンジラブは、男性より女性の方が好きらしい。
なので、奇妙な愛と呼ばれているのだ。
「次は……ロールちゃんね」
「うう、身体が勝手に動くわ」
次に遭遇したのは、ディグアウターの少女、ロール・キャスケットだった。
『ロール! あんた、何やってるのよ!』
すると、スピリッツボールの中からロールと同じ世界のスピリッツ、トロンが飛び出してきた。
「身体が勝手に動いて困ってるの。お願い、助けて」
『仕方ないわね。私が助けてあげるわ』
「と言っても、君は動けないから、僕達が助けるよ」
「トロン、力を貸してくれ」
「いっくよー!」
ロール・キャスケットの解放に当たるのは、トロンの力を借りたシークと、彼(?)と共に助けられたマルスとりょうだった。
「ありがとう、みんな……」
「どういたしまして」
ロールのスピリッツを解放し、マルスとロールはお互いにお礼を言った。
一行が最後に解放しようとするスピリッツは、スパナを持った少年、リョウだった。
彼は戦車や歩兵を並べて、一行の前に立ち塞がっていて、聞く耳は持たなそうだ。
「……やる気みたいね。誰が挑む?」
「僕がやる」
マルスは、リョウの前に立って、ファルシオンを抜刀する構えを取る。
「ごめんね……でも、戦わないと先には進めない事は分かっている。リョウ……どちらの戦略が優れているか、勝負だよ!」
マルスは、普段は温和で謙虚な性格である。
だが、リョウが操られている以上、戦わなければ先に進めないと感じたマルスは、自分からリョウに戦いを挑んだ。
「よく頑張ったね、リョウ。でも、この勝負、僕の勝ちだ!」
最後にマルスがリーダーのリョウを倒した事により、戦闘はマルスの勝利で終わった。
「凄いですわ、マルスさん!」
「慣れているからね。……っつ」
「だ、大丈夫かい? 僕が治してあげるよ」
「た、助かるよ」
マルスは何度も戦闘しているため、体力は次第に削られていった。
ドクターは彼に対し、有り合わせの材料から薬を調合してそれをマルスに与え、彼の傷を癒した。
「……ふう、ありがとう、ドクター。さて、もうすぐ基地に着くよ」
マルスを先頭にして歩くと、ついに基地の入り口に着いた。
「よし、開けるぞ」
そう言ってマリオが扉を開けようとしたが、扉は固く閉ざされていた。
従兄弟のドクターが、扉をじっくり調べてみる。
「んっ、開かない」
「鍵穴もないみたいだね。隣には、何かを動かす機械があるみたいだけど」
「どうすれば開くんだ。うーん……誰かに情報を聞くしかないか……ん?」
ふと、マリオの視界に二体のロボットが入った。
彼らにヒントを聞けば、扉を開ける方法が分かるかもしれないと思ったマリオは、ロボットがいる方に行った。
ドクター、カービィ、シャドウ、ベルら仲間達も、彼の後を追っていった。
「……レプリロイド……レプリロイド……」
宙に浮いた男が、青い身体と赤い瞳のロボットを守るようにして立っている。
その男は、悪しき心を持ちながら英霊となった魔術師の風格を漂わせている。
莫大な黄金を所持する大貴族の当主に見えるかもしれない。
戦いとなれば、細身の剣と魔法を華麗に操る老執事の如く動くだろう。
「ロックマンに、あれは……」
「イレギュラーと化したレプリロイド、シグマみたいね」
そう言って、ベルはスピリッツの詳細を一行に説明した。
「堕ちたロボット、というわけか」
「そうね」
「ロックマン君! 僕の声が聞こえるかい?」
「基地に行くための扉が開かないんだ。扉を開ける方法を教えてくれ」
マリオとドクターは、ロックマンに扉を開けるための方法を教えようとした。
しかし、ロックマンは聞く耳を持たなかった。
「駄目だね……直接聞くしかないか」
「待て!」
そう言って、ドクターがロックマンの前に行こうとすると、シャドウがドクターを止めた。
「シャドウ君?」
「こいつはキーラに操られている、近づくな」
「え? どうし……うわっ!」
突然、ロックマンがドクターに向けてシャドーブレードを投げた。
ドクターはギリギリでかわすが、ロックマンは殺意を込めた真っ赤な瞳を彼に向けている。
シグマも、一行に殺意を向けていた。
「……」
「……どうやら、戦わなければならないみたいだな。覚悟を決めて、ロックマンに挑むぞ」
「……うん」
「ボク達が何とかするから、待っててね!」
「負けないからネ!」
「ロッ君、今、僕達が助けるよ!」
「やれやれ……戦うのは苦手なんだけどな。でも、シグマ君もロックマン君も、自分の意志じゃないんだよね? だから、僕が助けるよ」
カービィ、シャドウ、りょう、ランス、ドクター、パックマンは、ロックマンとシグマをキーラから解放するため、戦いを挑んだ。
「いくよ、ドクタートルネード!」
ドクターは回転しながらロックマンを攻撃する。
「ウゥゥゥゥ……」
「うわぁぁぁ!」
シグマは弾丸をりょうに向けて大量に放った。
それはりょうを容赦なく打ち据え、耐えられなくなったりょうは倒れた。
「りょう君!」
「仇を取るヨ! えーい! うわっ!」
パックマンはシグマを殴ろうとしたが、シグマは宙に浮いて攻撃をかわす。
カービィはシグマが飛ばした弾丸を吸い込み、星型弾にしてロックマンに吐き出す。
「コロス……」
「わっと!」
ランスはロックマンのロックバスターをかわし、槍でロックマンを突いて攻撃する。
「カオススピア!」
「グアアアア!」
シャドウは混沌の矢を作り出してシグマに放つ。
その威力は高く、一発でシグマに致命傷を与えるほどだった。
「よし、やったねシャドウ君!」
「……」
「気を抜いちゃダメって事か」
ドクターはシャドウの様子を見た後、シグマを心臓マッサージで攻撃する。
すると、シグマは標的をカービィにして五つの電撃弾を作り出した。
「ウケテミヨ」
「まずい!」
「うわあああ!」
シャドウはそれを阻止するべく拳銃を撃つが、弾丸が当たる前にシグマの身体から電撃弾が飛び、
それがカービィに全て命中するとカービィは麻痺して動けなくなった。
その後にシャドウが放った弾丸がシグマに命中し、シグマは戦闘不能になったが……。
「う、動けない……!」
「間に合わなかったか……」
「でもめげないデ! ほら、りょうを治すヨ!」
そう言ってパックマンはフルーツターゲットをりょうに使い、彼の体力を回復させる。
「ありがとう、パックマン」
「それほどでもないヨ、それより今は目の前に敵に集中だヨ」
「うん。いっくよー!」
「それっ!」
りょうはパチンコでロックマンを狙い撃ちし、ドクターは続けてカプセルを投げる。
シャドウはロックマンをカオスマジックで束縛した後に近付いて回し蹴りで攻撃する。
ロックマンはシャドーブレードを投げてランスの身体を切り裂く。
「ワドスピアスロー!」
ランスは一度距離を取った後、槍を投げてロックマンを攻撃した。
「こんな痺れに、負けてたまるか!」
カービィは気合で何とか麻痺を解除し、ロックマンに突っ込んで彼を吸い込み、コピーする。
「シャドーブレード!」
カービィは手から歯車型の刃を出し、ロックマンに向けて投げる。
刃がロックマンに刺さった後、ランスがロックマンに近づいて刃を抜く。
「イッタァ!」
「血は出なかったが痛みは感じるようだな」
「このゲーム、全年齢対象なんですケド」
「ヨクモヤッタナ、カナラズコロシテヤル!」
「やれるものならやってみろ! ……みんな、僕がこいつの囮になるよ。君達がロッ君を止めて!」
「ああ」
「分かったよ」
カービィはロックマンを挑発して彼を引きつけ、残った五人がロックマンを倒す作戦に出た。
まず、ドクターとパックマンはカプセルとフルーツターゲットで牽制し、次にランスは高く飛び上がって槍を地面に突き刺した。
ロックマンが地面に埋まった時、既にりょうは斧を構えていて、りょうは勢いよく斧を振り下ろした。
「グアアア! ウ……グ……」
既にロックマンの体力は残り僅かで、彼もふらふら状態になっている。
とどめを刺すなら、今がチャンスだ。
「離れろ」
「うん!」
シャドウは他の五人を下がらせた後、超スピードでロックマンに接近し、
カオスエメラルドの力を使ってロックマンを拘束し彼にとどめを刺す準備に入る。
「ハナセ!」
「放すものか。お前を光の呪縛から放すためだ。動くなよ……カオスブラスト!!」
そして、シャドウが技の名前を叫ぶと、真紅の衝撃波がロックマンを包み込んだ。
その威力は瀕死のロックマンの意識を奪うのに十分なものであった。
衝撃波が治まると、ロックマンの身体は光になって弾け飛んだ。
「僕の……勝ちだ!」
そう……この瞬間、キーラに操られたロックマンとシグマとの戦いに、勝利したのだ。
~ベルのスピリッツ名鑑~
Dr.ストレンジラブ
出身世界:こことは異なる世界
性別:女性
元NASAの宇宙工学技術者で、オタコンことハル・エメリッヒの母。
男性より女性が好きなため、「ストレンジラブ」の名がついた。
ロール・キャスケット
出身世界:こことは異なる世界
性別:女性
ロック・ヴォルナットの幼馴染でディグアウター。
元一流ディグアウター、バレルの孫娘。
ディグアウトではオペレーターを務めている。
リョウ
出身世界:地球
性別:男性
レッドスター軍に所属するメカ好きな少年。
かつてマクロランドを救った事がある英雄。
指揮官としての能力はバランスが良く、どんな状況でも戦う事ができる。
シグマ
出身世界:こことは異なる世界
性別:男性型
イレギュラーハンター第17精鋭部隊の元隊長。
皆から慕われる人格者だったが、ウイルスに感染してイレギュラー化し、レプリロイドによる征服を目論むようになる。
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○ックマン、再び参戦。
この回は他社キャラが多くなっています。