「Dalvが見た、昔の夢、それは大事な人とのかえがえのない想い出の夢」
cloverが来る少し前。
綺麗な満月が出ている深夜、ルインの地下の地下の遺跡にある家の中、Dalvは紺色のベッドでぐっすりと眠っていた。
「……すや、すや、すやすや……。」
まるで、子供のような寝顔で、気持ちよさそうに眠るDalvが見ている夢は───。
『Dalv……、我が愛する息子』
少しDalvの顔を老けさせ、髪型が角が生えたロングヘアー、右目にはオシャレな金色のモノクルをかけた薄紫色の肌の男性が口元から小さな牙を覗かせながら誰かを呼ぶ。
『なあに❔Pops❕❕』※「父親(father)」のくだけた表現。
嬉しそうに駆け出し、モノクルの男性に抱きつくのはまだ幼い頃の少年、Dalv。
まだ、8才ぐらいだろうか。
『ふふ……、まだわたしの事を“Pops”と呼ぶのですね。
“お父さん”とは呼ばず』
抱きついたまま、幼いDalvは微笑む父親に顔を向ける。
『なぜ❔だって、PopsはPops、だよ❕ねえ、Pops❕❕』
『うふふ……、まったく、我が可愛い息子のDalvは可愛いですね。そうですね、わたしは“Pops”ですよ。…でも、本当は“お父さん”が良いのですがね。』
『PopsはPopsだよう❕❕❕』ポカポカポカポカ❕(怒って父親の胸を叩く。)
『はいはい……。』
優しげに微笑みながら、父親はうなづいた。
とある日の夕方。
『Dalv、戻りましたよ』
『Pops❕❕ねえねえ、なに買ってきたの❔❕』
大きな袋を持った父親が家に戻って来たのを見て、すぐさまDalvはかけよる。
『ふふ。スノーフルで衝動買いして来ましたからね。沢山ありますよ。ほら。』
『見せて見せて❕❕』
『まあまあ、落ち着いて』
父親が袋から見せたのは、音楽関連の本二冊と、新鮮なトウモロコシ三本とジュースとワイン。
『あれ❔その本、なに❔』
Dalvにそう聞かれ、優しい父親は袋から1冊だけ本を出した。
『素敵な曲が沢山書かれている歌の本ですよ。あとで、わたしが少しだけ、オルガンで弾いてあげますね。』
『ほんと❔❕』
『ふふっ、本当ですよ、我が愛する息子のDalv。』
Dalvは、目をきらきらと輝かせた。
『わーい❕❕』
『でもまず……、この新鮮で美味しいトウモロコシを料理しないといけませんよ。もう夜ご飯ですからね。』
『うん❕❕』にこっ✾
トウモロコシ料理を食べたあと。
『美味しかったですか❔Dalv。』
『うん、Popsの料理、すっごくおいしかった❕❕トウモロコシ大好き❕❕』
『良かった』ニッコリ❁
『ねえ、Pops、歌は❔』
『歌、ですか❔』
『うん。新しい歌の本、あるでしょ❔』
綺麗に片付いている、全体的に蒼い部屋。
奥に置いてあるオルガンに向かうのはDalvの父親。
『Pops❕❕はやく、はやくひいて❕』
目がきらきら輝かせ、父親のそでをつかみながらDalvは催促する。
『ふふっ……、はいはい。』
新しい本のとあるページを開き、オルガンの譜面台にのせる。
『…………静かにしていなさい。』
いつになく冷静に、凛とした眼差しをしながら静かにつぶやく。
その様子に、思わず驚いて、Dalvは静かになった。
『──では……。』
部屋の全てに広がる、美しい旋律(メロディー)。
その素晴らしい旋律(メロディー)は、幼いDalvの小さな鼓膜にも届いてゆく。
『わ……、Pops、すごい。これ、なんの曲❔きれー……。』
(すごいなあ、さすがPops。やっぱりオルガンの天才だ❕❕すごい❕ぼくも、いつかこんなふうにひけたらいいのになあ…。)
聴けば聴くほど、胸の奥が高鳴る。鼓膜に響いて、ゾクゾクする。
『すごい……❕❕』
『………ふう。』
パチパチパチパチパチパチ❕❕
『おや、拍手喝采とは…。とても光栄ですね、Dalv。』
『だって……、はあ、だって……❕❕Pops、すごいんだもん❕❕』
『嬉しいなあ、もう……。…そうだ、Dalv、この曲をオルガンで教わりたいかな❔』
『うん、おしえて、Pops❕でも、その前にこれ、なんの曲なの❔ぼくもしらない曲だけど。』
『この曲かい❔この曲はね……。』
『───“forlorn”。意味は“ひとりぼっち”だよ。』
«続く»
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Dalvくんが、睡眠中にまだ幼かった頃の自分が出てくる昔の夢を
見ています。
かなり創作多めです(お父さんとか、ほとんど想像です)。
それでも良ければ読んで下さい。