地獄は怖い所。
止水京都は、ニーソックスに白い肌に赤い髪、ゴシックロリータの組み合わせで、おおよそ、宣教らしくない格好で宣教していた。
靴は運動靴、歩きやすく、鼻筋は通っていた。目が大きく、赤い瞳をしていた。
十六夜咲夜は、私服のカルチャーショックを受ける様な赤い上下のワンピース、白い肌に銀の髪。
二人はそろって、地獄を主張していた。
「地獄(ジャハンナム)は怖い所です。
いまならば、間に合うはず。
急いで急いで。」
民衆達は、聖書とコーランを買っては、盛大に騒ぐのだった。
その中で、蓬莱山輝夜が、声をあげる。
「ここに告白します。
私達は死にません。
しかし、備えるべきでしょうか?」
「そうです。備えるべきです。」
咲夜が即答する。
輝夜は、なおも質問する。
「なぜですか?」
「主の日が来るからです。
”私は盗人の様に来る。”
この様に、血の池地獄さえ、待ち構えているのです。」
「第二の死と書かれてありますが、私達は、第一の死すら知りません。
無垢なる命を神は裁かれるのですか?」
「そうです。神はどんな者であっても、公平に裁かれます。
悔い改めなさい。
そうすれば、救われます。
信じる者は救われます。」
京都が答える。
「なんという信仰でしょう。
私は何となく、八百万の神を崇めて来ましたが、今、ここに悔い改めます。」
「よろしい。」
再び、咲夜が答える。
こうして、ジャハンナムの使徒によって、唯一の神の信者が現れる様に成った。
この二人は、『コーラン』の通り、ジャハンナムでも神を讃えていたのだ。
その信仰に胸を打たれた信者達が大勢集まって来た。
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ジャハンナム(地獄)の一部が幻想入りするお話。
咲夜と京都が宣教の旅に出掛けるお話。