No.104653

真・恋姫†無双 金属の歯車 第十二話

・真・恋姫†無双をベースにとある作品の設定を使用しています。クロスオーバーが苦手な方には本当におすすめできない。
・俺の◯GSを汚すんじゃねぇって方もリアルにお勧めできない。
・ちなみにその設定はそろそろ話の本筋に関係が出てきます。
・オリジナル主人公は三人いますが、蜀ルートが元になっています。
・オリジナル主人公はそれなりに厨性能です。

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2009-11-02 02:28:49 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3205   閲覧ユーザー数:2881

 橋の上では二対一の激戦が続いていた。

中国の剣ではない物をもつ一刀が呂布の攻撃を受け止め、その隙に星が呂布に攻撃を繰り出す。

「お前ら・・・強い?」

「お前のほうが数段上だ。だが・・・」

そういって一刀は剣で攻撃を受け止めるように構える。

「私は負けない。勝ても出来ないがな」

 呂布は確かに手こずっていた。橋を使った一対二の状況も厄介だったが、何よりも目の前にいる男の戦い方だった。

自分から打ち込もうとはせず、攻撃を避けるか受け止め、そして返し技を的確に急所めがけて放つ。

防御を弾こうとしても、地面に張り付いたような堅さの鍔迫り合いの強さを持っていた。

かといってこちらが打ち込まない場合は、横の星が攻撃に移り、彼はそれに便乗する。

ならば呂布は選択肢を一つ見つけた。

方天画戟が星に伸びる。そう、各個撃破の目標を星に変えればいい。

「うっ!」

その一撃に星を吹き飛ばし橋桁に叩きつけられ星が動かなくなる。気絶しているようだ。

それにとどめを刺すべく方天画戟が振りおろす。

しかしそれは男の剣で受け止められていた。

「仲間はやらせんぞ」

 方天画戟を弾き星を庇うように彼女の前に立つ。

「悪いがなりふり構っている暇はない・・・本気でやらせてもらうぞ!」

 そういうと一刀は左手を両眼を隠す。

その動作の瞬間、彼から流れ出る殺気が増す。

 

―――バーサーカー

 

 

北郷一刀/CodeName:??

ImageCV:宮野真守

 

 

 第十二話 猛勇剣舞 ~Berserker~

 

 

 暴かれた目は、白い部分が紅く染まっていた。呂布はそれを確認したが・・・すぐに見失った。

早い。さっきよりも数段に、より正確に、急所を突いてきた。先ほどを打って変わり、剣の間合いを保ったまま急所を狙い続ける。

避けることは動作もない。しかし避け続けるのも、この橋の上では限界だった。

首を狙った刀は方天画戟で阻むが、先ほどと違い拳も飛んでくる。

「ちっ・・・」

 先ほどとは違い、刀を逆手に持ち拳も蹴りも飛んでくる。

戟の間合いより更に内側の、剣と拳の間合いで攻撃を続けてくる。ほぼ防御しか出来ない状態だ。

その上手数も多い。片手だけで四、五通り。足技などを組み合わさり、一体いくつの組み合わせかもわからないものだった。

何より一番きついのは・・・。

(おなか・・・へった)

 空腹だった。

その意識に油断はなかったが体が追いつかない。

再び首を狙った一撃を受け止めるが、攻撃を押し込もうと上段蹴りが方天画戟を襲い、大きく吹き飛ばされる。

受け身をとり、すぐに構えるが、獣は目の前にいた。

彼が異常なまでに強い鍔迫り合い。最悪なことに橋の端であり、押し出されれば空中に投げ出される。

「ちっ!」

「―――!!」

 まるで獣の様な咆吼を上げ、呂布は場外に投げ出されようとする。その時だった。

「恋さん!」

「―――クル―――ナ」

 いくら旧臣とはいえ、戦場に何も防具を付けずに出てくるのは危険すぎる。しかも鍔迫り合いの途中である。

だが一刀の心配を他所に呂布の方天画戟が力を無くしていく。

「・・・月?」

 突然の月の乱入で橋の上は静かになった。

一刀の目はもう白く戻っている。

「・・・なんで・・・死んだ・・・?」

「私たちが保護したんだ」

 完全に呂布が戦意を喪失したと判断し、気絶している星をお姫様だっこする。

「・・・ちなみに言っておくが、月が今ここにいるのは袁術の仕業といっても過言ではない。奴らが月の地位に嫉妬したのが、ある意味発端だな」

 星はただの脳震盪と思われた。強打した部分を冷やせばすぐに回復するだろう。

後は呂布を捕らえるなり説得するなり・・・。

そう思った瞬間に、誰かの腹の音が鳴った。

一刀は今、気が付いたが、橋の下では激闘が終息に向かっていた。重い鎧を付けてかつ馬も騎乗できないこの造り、加えて矢の雨は、目の前の呂布しか突破できなかったらしい。加えて城壁に張り付いた瞬間に襲ってくる伏兵には対処出来なかっただろう。

呂布を失ったと判断したのか、それとも独自の判断か、後退を始めている。いずれにせよ、良い判断だ。

よってこの腹の音は目の前の月か呂布・・・星は目の前なのでわかるはず。

「・・・まさか呂布、空腹だったのか?」

「・・・」

 呂布は何も言わずに赤くなり俯いたままになる。

「しかし・・・こちらに有利な状況にもつれ込ませて、しかも二対一だったのに拮抗だったとは・・・凄いな」

 殺気が全くない。戦闘時と平常時では違う娘なのだろう。今は月に抱きしめられている。

それを確認すると雛里に開門の指示を出し、星を回収させる。兵士は呂布をみて少し驚いた顔をしているが、星を担架に乗せ運んでいった。

それを見送り呂布に近づく。

「待ちなさい。北郷一刀!」

「・・・何だ、この小動物は?」

 といって彼女の華麗なちんきゅーきっくを華麗にかわし、小動物の足を掴み宙づりにする。

「は、離しなさい。この卑怯者!」

「離すと頭から落ちるぞ」

「ええい、五月蠅いです!お前達、よってたかって呂布殿を!呂布殿は兵士達がおなかを空かしているからと、自分の食事を兵士達に分け与えていたのです!」

「おいおい・・・まさか兵糧の提供を受けるために袁術に力貸してたんじゃ・・・」

「そうです!」

 逆さ吊りになっていても小動物の勢いは止まらなかった。

「・・・呆れて物も言えん」

 あきれ顔の一刀は少し考える仕草を見せ、呂布を正面に捕らえる。

「呂布よ。私たちと共に行かないか?」

「呂布殿!甘言に流されないでください!」

「ええい、だまらっしゃい。さすがに働いてもらうが食う分には困らないように手配してやる」

「・・・ほんと?」

「生まれてこのかた嘘とは縁が薄い」

「大丈夫だよ、恋さん、ねねちゃん。ご主人様はとってもいい人だよ」

 そういって月は呂布の頭を撫でている。

呂布はそろそろ静かになってきたちんきゅーと呼ばれた少女を見る。

「ちんきゅー・・・離してあげて」

「いや、だから頭から落ちるって」

 そう言ってちんきゅーと呼ばれた少女を呂布に向かって軽く投げる。呂布はそれを受け取るとただ一言呟くように言った。

「・・・いい人」

 その言葉に一刀は苦笑いするだけだった。そんな一刀の元に雛里と詠が走ってくる。

詠は一刀の脇を走り去って月と呂布の元に向かい、雛里はこちらにやってくる。

「ご主人様・・・いったいどんな状況なのですか?」

 一刀は状況を整理した。

呂布が単騎で突出。二対一で戦闘開始。それ以外の呂布軍は攻城むなしく撤退を開始。星が負傷で運ばれ、妙に和んでいる戦場。そして頭に血が昇ったことでくらくらしている陳宮と、月に抱きしめられている呂布。

確かに訳がわからない。

「・・・一件落着?」

 

 

おまけ

一刀「祝・声優決定!」

桃香「おめでとーご主人様!」

愛紗「おめでとうございます!」

玲二「おめでとう、一刀!これでオリジナルキャラ全員の中の人が決定だな!」

一刀「・・・私、主人公だよな?なぁ!?」

其他「・・・」

一刀「みんなして視線を逸らすな!」


 
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