黄巾党を抑え平和が訪れたかに思われたが、霊帝の死により内乱が起こった。そののち
袁紹から書簡が届いた。
一刀「何やら大変なことになっているな・・・」
書簡を読み終えると、皆に内容を告げる
聞いた一同はそれぞれ考え込んでいるようであった
桃香「せっかく平和になったと思ったのに」
桃香は落胆の色を隠せないでいた
人一倍、民の安全を重んじていた彼女にとっては辛い物があったのだろう
愛紗「それにしても、董卓は許せないですね」
皆が口々に言い合っている中
一刀「・・・・・(何か、おかしい)」
そんな中、書簡とにらめっこしている主君に気づき声をかける
星「主?いかがなさいましたか?」
一刀は自身のまとまっていない考えを、告げるべきか悩んだが
一刀「いや、文が一方的すぎるかなぁって思ってね」
愛紗「一方的?」
愛紗の疑問に賛同する星
早くも考えることを放置した鈴々の姿があった
朱里「ご主人様もそう思いますか?」
一刀「あぁ、普通に読みとく以外にも意味が隠されていると思う」
軍師二人はしばらく考え、
お互いに話し合い、そしておずおずと
雛里「・・・・・・おそらくですが、諸侯を出し抜いて権力を得た董卓さんへの嫉妬からきているのでしょう」
雛里の言葉に続き、
朱里「それに、董卓さんの圧政に苦しんでいるっていうのもひっかかります」
一刀はそうかもしれないと頷いたが、桃香は驚き
桃香「それじゃ、嘘かも知れないってこと?」
雛里「嘘とまではいいませんが、そういう可能性は否定できません」
皆は、軍師達の言葉を聴き最初に感じた怒りを困惑に変えて
それならば自分達は、連合に参加するべきなのか
そう考えているようであった
鈴々「うーむ。政治ってのは、難しいのだ」
ふとした鈴々の言葉に、皆が頷いた
一刀「うん、そうだね。一応、董卓のところに探りを入れる必要があるな・・・。連合の話は一応受けよう。嘘に越したことは無いけど慎重に行くべきだと思う」
主君の冷静な判断に朱里は少し安心することができた
朱里「わかりました。すぐに間諜の手配をします」
一刀(連合終結までに間に合ってくれれば良いけど・・・・)
こうして一抹の不安を残しながら連合に参加する一刀達であった
その後、圧政に苦しむという情報は誤報であることがわかった
そして時は流れ、連合集結の場
一刀「うわー。すごいな・・有名な武将だらけだ(三国志マニアの血がそそられる・・・フフフ)」
一刀は子供のように目を輝かせながら辺りを見回している
それもそのはずである
三国志で、ここまで有名な武将が集結することは他に数えるしかないだろう
朱里「はわわ、ご主人様がまた、どこかに旅立たれて・・・」
一刀の豹変ぶりに焦る朱里に対し、見慣れたのか
またかぁと、笑いながら主君を眺めている桃香
桃香「まぁねー。噂だけの武将とあえるんだもん。私だってわくわくしちゃうよ」
この後、しっかりして下さいと愛紗に怒られたのはまた別のお話
連合の場に着くと兵士が声をかけてきた
兵士「行軍お疲れ様です。お名前を教えていただけますか?」
桃香「は、はい。平原の相、劉備です。連合の総大将さんにお取次ぎできますか?」
兵士は困った顔をし
兵士「いえ、それがまだ決まっていないのです。」
兵士の言葉に驚く一同
愛紗「総大将がきまってないだと!」
兵士「はい・・・今軍議にて決定しているしだいです」
これだけの寄せ集めの軍を指揮するのは大変であるから
諸侯たちは、押し付けあっているのだろうと考えられた
一刀「わかりました。とりあえずその、軍議に行ってみます」
一刀と桃香は軍議の間を訪れた
軍議の間
一刀「遅くなってすみません。天の御使いを名乗っている、北郷一刀と申します。」
桃香「劉備といいます」
一刀は一礼をし、すでに集まっていた顔ぶれに目をやる
なぜ、女性ばかりなのだろうかと思ったが
男ばかりよりはましか(その方が当たり前なのだが)―――と思いなおした
一刀と桃香の名のりに、上座に座っていた金髪の女の子が続く
???「私は、三国一の名家、袁紹ですわ」
隣に座っていた小柄な女の子は、一刀を品定めするように
???「(へぇ、この男が天の御使いか・・・)私は曹猛徳よ」
???「妾は、袁術なのだ」
まだ幼い感じを残した少女が答えた
それに続き、どこか知的な感じをさせる女性がつげる
???「孫策軍の周瑜よ」
最後に、見知った顔が声をかけてきた
白蓮「久しぶりだな。一応名乗っておくけど、公孫賛だ」
重苦しい雰囲気にまいっていたが、知っている顔を見て桃香は少し安堵した
桃香「お久しぶり、白蓮ちゃん!」
桃香は思わず抱きつこうとしたが会議であることを思い出し踏みとどまった
その様子を見て、相変わらずだなぁと白蓮は思った
白蓮「あぁ、桃香と一刀。いろいろ頑張ってるみたいだな。また、よろしく頼む。」
一刀「あぁ、こちらこそ。で、総大将がまだ決まっていないと、聞いたんだけど」
白蓮は困り顔で答えた
白蓮「そうなんだよ~」
話を聞いていた袁紹は
袁紹「えぇ、この連合の大将にふさわしい、財力、兵力、知力、そして何より美貌をかねそろえた方でないと話になりませんわ」
曹操「それで、その条件に合う人は誰かしら」
すかさず曹操が突っ込む
袁紹「そうですわねぇ」
軍議は平行線のまま過ぎていくかと思われたが
一刀の一声でスムーズに終わりを迎えることとなる
一刀「それならば、袁紹さんがおやりになられたらどうですか?」
袁紹「私がですの?」
一刀「えぇ、袁紹さんなら今の条件に合致するのではないでしょうか」
皆がうなずいた
曹操「そうね、あなたでいいんじゃない」
袁術「それでいいのじゃ」
周瑜「異論はないわ」
袁紹は皆から自分を総大将として認められたことに、とても満足し
袁紹「お~ほっほっほ。わかりましたわ。皆様がそうおっしゃるのならわたくしが勤めましょう。」
と言い自慢の髪を掻き揚げた
軍議の後
袁紹「お待ちになって」
自軍に戻る途中で袁紹に声をかけられた
一刀「どうかしましたか?」
袁紹「あなたのおかげで、責任の重い総大将になってしまいましたわ。そこで、お願いがあるのですけれど」
一刀「なんでしょう?」
袁紹「あなたには、連合軍の先頭に立っていただきたいのです」
一刀は、動揺することはなかったが、桃香は驚き
桃香「えー!私達がですか?」
袁紹「えぇ。先陣は最も華がある場所。それをあなた方に担っていただきたいのです。ふふふ、私からのお礼ですわ」
予想通りに事が運び、内心安堵する
一刀「・・・わかりました。」
袁紹「おーほっほっほ。それでは」
劉備群
自軍に戻り先ほどの件について君主に詰め寄る
桃香「ご主人様!先頭なんて受けちゃって大丈夫なの?」
一刀「あぁ、他に方法がなかったからな・・・」
一刀の代わりに朱里がわけを話す
朱里「曹操さんたちが圧政の話を嘘だと知っているかはわかりませんが、私達が先頭を採ることで、被害は少なくすむかもしれません」
なるほど、と一同は納得したが、愛紗が当然な疑問をぶつけた
愛紗「たしかに・・・しかしそれならば、圧政が誤情報であることを軍議で言えばよかったのでは?」
雛里「それを言ってしまうと、連合を立てた袁紹さんの顔に泥を塗ってしまうことになります」
当然のことである
軍議でそのことを話せば連合は解散するかもしれない
しかし、袁紹や諸侯達にとって、自分達は恥を掻かされた相手になるだろう
董卓のかわりに狙われるのは、弱小な自分達になってしまう
一刀「あぁ、もう引き返せない。連中は、いかに功績を残そうかと腹の探り合いだったしね・・・けれど、先頭を採るということはそれだけ被害を受けてしまうことになってしまう。すまない・・」
一刀のつらそうな表情を見て、一同はいたたまれない気持ちになった
愛紗「いえ!私達しかできないことですから」
鈴々「そうなのだ。お兄ちゃんはどんと構えとけばいいのだ」
星「そうですな。なんだったらお酒でも・・・」
どこに隠し持っていたのか、杯を取り出し
一刀に勧めようと―――
愛紗「星!」
できなかった
星「ふむ、冗談なのに武器を向けるのはいかがなものかと思う・・・」
朱里「星さんがいったら冗談に聞こえないからですよ・・・・」
一刀(ありがとう、皆・・・)
仲間の優しさに触れいっそう頑張ろうと思う一刀であった
今回もお読みいただきありがとうございました。
今回で一気にキャラが増え、名前だけは間違えないように
頑張りました・・・・。。
描写の件ですが、コメントやメッセージありがとうございました^^b
自分なりによい方向に向けるよう努力していくので
お付き合いいただければと思います
それでは、お読みいただいた方に幸せが訪れますように
このめ
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束の間の平和が過ぎ、袁紹から書簡が届く。
その内容とは・・・