No.1034647

【獣機特警K-9ⅡG】復讐の爆弾魔(解決篇)【交流】

古淵工機さん

ついに完結!儚く悲しい事件の幕が下りる。

■出演
  クオン https://www.tinami.com/view/551025
   ソウ https://www.tinami.com/view/591837

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2020-07-05 15:01:42 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:773   閲覧ユーザー数:752

「どうする親父さん!?このままじゃ俺たち…」

「くそっ…もう一度脅して巻き上げるしか…」

慌てるマッシュ・マイトの一味。

その時、アジトの窓を突き破って突入する黒い影!!

 

「警察だ!お前たちの計画は残念ながら潰れた!!」

マッシュ一味に対して勇ましく啖呵を切るクオン。

 

「馬鹿な!?なぜここがわかった!?」

狼狽するマッシュに、ジョナサン・ボーイングが声をかける。

「現金の入ったケースを見てみな」

「なに!?」

さらにイシス・ミツザワが続く。

「…そのカラーインクからは微弱な信号を発信するようになっていたのよ」

「ちっ…だがこっちは列車の乗客乗員を人質に取っているんだ…今俺たちを捕まえても爆弾の外し方は教えんぞ!!」

「あーっはっはっはっは!!」

その時、筑波未来が大声で笑いだした。

 

「なんだ!?何がおかしい!!」

「その列車の乗客乗員なら乗り合わせてたキリカさんが別の列車に移し替えたよ!」

「な…んだとォ!?」

 

「さぁ!大人しくお縄につけ!!」

じりじりと詰め寄るK-9隊。だが、ハリー・グラントは突如火のついたダイナマイトを投げつけてきた!!

 

「うわっ!?」

「ハリー…お前…!!」

「親父さん!兄貴!!ここは俺が食い止める!!今のうちに逃げてくれ!!」

「くっ…ハリー!!」

「見るな富士川…!…すまん、ハリー!!」

ハリーに促され、マッシュと富士川は逃げ出す。

 

「待て!!…うわぁ!?」

「ソウ!タツヤ!!」

次々投げられるダイナマイトの爆発で思うように進めない!

 

「…隊長、イシスさん、ジョニーさん、ミライさん、ここは僕らに任せて!!」

「逃げた奴らを追いかけて!早く!!」

 

「ソウ…タツヤ…ベルタ…ナタリア…ソラ…、わかった!ここは任せる!!」

年少組に任せ、追撃を開始するクオンたち。

その直後だった…!

 

「うおぉぉぉぉ!!」

「まずいわ!あいつ自爆するつもりよ!!」

「全員伏せろーーー!!」

ハリーはダイナマイトを手にキャットウォークから飛び降り、自爆したのであった…!!

「待てッ!!!」

「くそっ…しぶとい奴らめ…ん!?」

 

逃亡するマッシュと富士川の目に、停車中の貨物列車の姿が入った。

「兄貴!?」

「あれを利用するぞ!!」

マッシュたちは先頭車両に飛びつくと、拳銃で乗務員扉の鍵を壊し運転台へと入る!!

 

「…!?あいつら、列車を盗んで逃げる気か!!」

「イシスさん!ジョニー!ミライ!列車に飛び移るぞ!!」

「「「了解!!」」」

 

すぐさま列車に飛び移ると、クオンたちは車両の上部を伝い先頭車両へと移動する。

そして運転台の近くまで来た時であった。

 

「…!」

「撃ってきた!!」

「ひるむな!こちらも反撃を…」

クオンたちが再び運転台へ向かおうとしたその時だ。

「おっと動くな!!少しでも近づけばこいつを爆発させるぞ!!」

「なっ!?」

富士川が出してきたのはダイナマイトだ!!

 

「この列車は燃料輸送列車だ…ここでこれを爆発させれば貴様らもただではすまんぞ!!」

「くそっ…そんなことをしてどうするつもりだ!!」

食って掛かるクオンに、マッシュは答える。

 

「…この列車をラミナ中央駅に突っ込ませる!!」

「…なんだって!?気が狂ったのか!!」

「黙れ!!もう少しで俺たちは自由になれたのに…社会に翻弄された俺たちの気持ちなど貴様らにわかってたまるか!!」

「ああ、わからないさ…ただ、お前たちの身勝手のために大勢の人間の命を巻き込むわけにはいかないんだ!!…イシスさん、ワイヤーショットだ!!」

「了解!」

 

イシスは左太腿のホルスターからワイヤーショットガンを取り出すと、富士川が持っていたダイナマイトをからめとる!!

 

「しまった!?」

空中に放り出されたダイナマイトは、遠くの岩山に落下し爆発した!!

 

「くそっ!次から次に邪魔を!!」

富士川はサブマシンガンを取り出そうとしたが、直前でジャンプしてきたミライがとびかかる!!

「大人しくしろって!!」

「くっ、くそっ!放せ!!」

それを合図にクオン、ジョニー、イシスがなだれ込む!!

運転室内部では激しい格闘戦が行われた!!!

 

「はぁ、はぁ、はぁ…」

「う、うぅぅ…」

「…マッシュ・マイト、富士川ナガレ、お前たちを対テロ防止法違反の疑いで逮捕する!」

「ちっ…!」

マッシュは懐からマシンガンを取り出すと、運転室の機器めがけて撃ち放つ!!

 

「!?…なんてことをするんだ!!」

「ふふふ…貴様らはここで終わるのさ…あばよ!!」

そういうとマッシュと富士川は走行中の列車から飛び降りた。

「馬鹿な!!」

 

そこはちょうど橋梁の上だった。

マッシュと富士川は飛び降り…そのまま川面に激突して死亡した。彼らは自殺したのだ!!

 

「どうしよう…運転室が壊されたら…もう列車を止めることは…!!」

「駄目です隊長!指令所とも連絡が取れません!!」

ミライとイシスの声に、焦りの色が見え始める。するとクオンはあるアイデアを思いつく。

 

「…いや、止める方法がまだ残ってるぞ」

「なんだって!?」

クオンとジョニーは運転台の後ろにある動力制御盤へと向かう。

 

「…隊長、これは…」

「この列車の制御回路をショートさせる。そうすれば安全装置が作動して強力な電気ブレーキがかかるハズだ…」

「な…無茶です隊長!んなことしたら高圧電流であんたの身体まで壊れちまう!!」

「それしか方法がないんだ…あった!これだな…」

 

クオンは目の前のコードを二、三本引きちぎると、そのままおもむろにつなぎ合わせる!!

 

「っ…!ぐ…あぁぁぁぁ!!」

「隊長!!」

「近づくんじゃない…!君まで巻き込まれるぞ…ぐぅっ…!!」

 

クオンの目論見は当たった。

異常電流を検知した列車は安全装置が作動。

電気ブレーキがかかり、列車は鄙びた山間部で完全に停車した…。

 

「隊長!」

「はぁ…はぁ…!!」

クオンの人工外皮は熱で所々焼け、各部からは煙が上がっていたが、どうにか一命はとりとめた。

儚くも悲しい列車爆弾事件はここに終結したのだ。

ナインチョッパー・機内。

 

「…なんだか、夢のように事件が終わってしまいましたよね…」

とつぶやく宮ノ陣竜矢。

「あいつらの境遇を見ると、悲惨な人生を送っていたように見えたもんな…」

と三沢颯。

「なんだか可哀想だったわね…」

「『マトモに生きさえすれば』なんて思っても…結局は外的要因もある…彼らのように割を食わされてきた人間もいるんだもの」

と、ナタリア・天神・フタロイミツィと煌月空。

 

「もしかしたら…ですけど」

「ん?」

「あそこまで極限に追い詰められてどうしようもなくなって…それが彼らをあんな凶行に駆り立ててしまったのかも…」

「まったく、儚いもんだぜ…」

「そうだな…。せめて…花の一つも手向けてあげよう」

 

クオンはそういうと、どこに用意していたのか…ひとつの花束を先ほどの谷底へ向かってそっと投げ入れたのだった…。

 

 

 


 
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