No.1029451

「改訂版」真・恋姫無双 ~新外史伝~ 第42話

皆さん、お久しぶりです。

昨年休止を宣言してから直ぐに父親が死去してしまい、しばらくは制作意欲が湧きませんでした。

今年に入ってからも中々制作意欲が湧きませんでしたが、漸く再開の運びとなりました。

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2020-05-12 17:56:50 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3185   閲覧ユーザー数:2814

月たちが部屋を去った後、一人部屋に残った賈駆は一刀たちをどう始末するのか考えたが、手段は1つしか無かった。

 

「尋常な手では北郷一刀を討ち取ることができないわ」

 

賈駆は従者に命じて、一人の人物を呼び出す様に命じる。

 

しばらくするとその人物が現れると賈駆は

 

「よく来たわね。華雄」

 

「どうした賈駆。董卓様への取り成しでも私に頼みたいのか?」

 

華雄は賈駆が董卓へ直接詫びる事が出来ない事に取り成しを頼みたいと思っていたが…

 

「違うわ。華雄、貴女に北郷一刀と北郷紫苑を討ち取って欲しいの」

 

「な…なんだと!賈駆、貴様!!董卓様の意向を無視するつもりか!?」

 

賈駆の頼みに流石の華雄も驚きを隠せず驚きの声を上げるが、賈駆は華雄の驚きを無視して

 

「違うわ。これは月のためにどうしてもやらなければいけないことなの!これは月の事を想っている貴女にしか頼めないわ」

 

「…………否、無理だ。董卓様の意向を逆らうことには私には出来ない。賈駆、今の話を聞かなかった事にする。早く董卓様に詫びを入れろ。何なら私も付いて行ってやる」

 

華雄は流石に董卓の意向に逆らう意思が無く、賈駆の申し出を断る。

 

「そう……それが貴女の答えなのね。分かったわ」

 

「そうか、分かってくれたか賈駆」

 

「ええ、華雄。貴女が月を想っていることが口先だけということが」

 

「何だと!賈駆!!それはどういう意味だ!!返答次第ではその首ここで叩き斬ってやる!!」

 

賈駆の思わぬ回答に華雄は激怒して今にでも賈駆を斬る気迫を出している。

 

「じゃあ聞くわ。華雄、私たちがここまで追い込まれた原因を作ったのは誰かしら?」

 

「うっ…それは」

 

賈駆の問いに華雄は返事に窮する。それもそのはず董卓が十常侍を虐殺した切っ掛けは董卓を張譲のところに連れ出そうとして使者に来た夏惲を華雄が激怒して殺害してしまった事が原因である。そこで董卓が華雄を救うために先手を打って張譲らを虐殺したからだ。

 

「華雄、月は貴女を救うために十常侍を虐殺したわ。それで貴女は月の為に何かして上げたの?確かに貴女はこれまで月に尽くしてくれたわ。でも月が北郷一刀に下ってしまえばボクも貴女もどうなるか分からないし、それに北郷一刀はかなり好色な男と聞くわ。月を助けるのを口実にして月を凌辱するかもしれないわ」

 

「それで貴女は月に命を助けて貰って、のうのうと生きて、月の事を想っているって?よくそんな事言えたよね。もういいわ。僕を斬って月がどうなるのか助けもせず見過ごして、月に助けて貰った命を大事にして生きていきなさい」

 

「ちょっと待て、賈駆!誰が董卓様を助けもせず見過ごすと言った!!本当に北郷一刀や北郷紫苑ら斬れば董卓様の窮地を救えるのか!?」

 

賈駆は逆に華雄を突き放す様に言い放つと華雄は賈駆の挑発じみた言葉に乗るか様に話に喰いついて来た。

 

「ええ、僕の全知全能を掛けて月を救うわ。華雄、もし貴女が北郷一刀の暗殺に成功したら、必然的に勲功一位は当然で董卓軍の筆頭将軍になるのは勿論、僕と同じくらい…否、悔しいけど華雄、僕以上に月の信頼を確実に得て側近中の側近になれるわ。月と一緒にいる僕が保証するわ」

 

「私が賈駆を上回り、董卓様の側近中の側近に…」

 

賈駆は華雄が名誉や誇りを重んじる人物と分かっているので、華雄が望んでいる月への信頼を確実に得るという言葉に心を動かされるのと同時に一刀に降伏する事に葛藤がやはり心のどこかで抵抗があり

 

「……分かった。貴様の策に乗ろう」

 

最終的に賈駆の話を受け入れ、そして暗殺計画について話合う事になる。

 

そして会談当日の早朝

 

「月!大変や!!華雄が勝手に軍を率いて出陣したで!!」

 

張遼が董卓の部屋に駆け込んで華雄の無断出陣を告げる。

 

「えっ…華雄さんが?誰がそのような命令を…。華雄さんに伝えて下さい!そのような命令を出していません。霞さん!華雄さんを止めて下さい!!」

 

董卓は張遼の突然の発言に困惑の表情を浮かべながらも華雄を制止すべく張遼に指示を出す。

 

董卓の慌てぶりに張遼は華雄の無断出陣は董卓の命令では無いと分かったので

 

「分かってる、月!すぐに華雄のアホを引きずり戻すわ!!」

 

張遼は急いで董卓の部屋を出ようとすると

 

「その必要は無いわ。華雄はボクの指示で動いてるから」

 

部屋の前にはそう言いながら完全武装の兵を引き連れている賈駆の姿があった。

 

「なんやて!賈駆っち、それはどういう意味や!!」

 

「言葉のとおりよ。華雄は北郷一刀らを討ち取るために兵を出した。ただそれだけの事」

 

「それだけの事って……アホか!!これじゃ月が騙し討ちした卑怯者と言われ、誰も信用されへんようになるやろうがこのドアホ!!」

 

張遼の怒りの言葉に賈駆は鼻で笑うか様に

 

「信用ね…月が天下さえ取れば、皆、月に頭を下げるわ。そんな些細な汚名など気にする必要はないわ。霞、貴女、そんな事も分からないの」

 

そういう賈駆の目は狂気の目が宿っているように見えた張遼は尚も言葉を続け

 

「賈駆っち!月を破滅に追い込めたいんか!!」

 

「破滅ね…それはそれで仕方ないわ」

 

「何やて!?」

 

「詠ちゃんどうして…」

 

思わぬ賈駆の返答に二人は戸惑いを隠せず驚きの声を上げ、そして董卓は賈駆の真意を問うと

 

「月…ボクはどうしても北郷一刀に頭を下げる事が出来ない、否、訳の分からない奴に月を任せたくない。だから少しの間だけ大人しくして」

 

賈駆は董卓にほんの少しだけ自分の心情を語った。

 

「離せ——!お前なんか恋殿が居たら一瞬で殺すのですぞ———!!」

 

三人が聞き覚えのある声、陳宮がこの場に来たがそれは既に賈駆の別の部隊に身柄を拘束されている姿であった。

 

部隊の責任者が出てきて

 

「無事陳宮殿の身柄を確保しました」

 

「よくやったわ。それで恋…呂布はどうしたの?」

 

「それが…呂布将軍の姿が無いのです。部屋とか関内とか至るところを探したのですが…姿が見当たらないのです」

 

「何ですって!そんなはず無いわ!!きっと何処かにいるかもはず、貴方たちの部隊は引き続き捜索。そして月、霞、ねね、貴女たちはしばらく監禁するわ」

 

部隊長の報告を聞くと賈駆は顔色を変え、呂布が董卓救助に現れる可能性があるので呂布の抵抗を少しでも無効化するため三人を監禁という名目で人質として扱う事を決意する。

 

張遼は自分一人ならこの状況を打開するつもりであったが、流石に董卓や陳宮を連れてのこの場からの脱出は無理だと判断して大人しく捕縛された。

 

賈駆は董卓たちを軟禁状態にすると、それぞれの部隊の兵も三人の軟禁状態を知る事となり、三人の命を守るためそれぞれの部隊兵たちは仕方なく賈駆の指示を受け入れ、董卓軍は事実上賈駆の支配下に置かれることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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