さて、雪天港フェリーターミナルで乗客を降ろしたのち、折り返して稲荷坂電停に戻ってきた2311A-B。
電停に並ぶのは
彼女たちは雪天中学校の映画部に所属している。
「でさ、今回はちょっと毛色を変えて天空市の街並みを題材にした映画を作ろうと思うわけよボカぁ」
「なるほどねー、でもそういう映画って役者さんナシで撮らないといけないんでしょ?演技とかに頼れないから大変なんじゃない?」
「わーかってないなー愛衣は。日常風景の中でこそ撮れる
「まぁ、建物とか撮ってるとたまに『じっくり撮ってみたいなー』ってのがあるよな」
「あ、それなんとなくわかるかも…」
と、話しているところに電車がやってきて、ゆっくりと入口の扉が開く。
『東天空行きでーす。東天空駅前からおさかなセンター行きに変わりまーす』
車掌台にあるインターホンから千夏の声が響く。すぐに映画部トリオは電車に乗り込む。
「わ、すごいよツリカケ駆動の音だ!」
「美雪ちゃん、もしかして鉄入ってる?」
「入ってるも何も、情報収集は映画部長のつとめだしねw」
「でもこういう古い電車ってなんかいい雰囲気してるわよね」
「それにしても今日は少し混んでるよなあ」
「そりゃ休日だからさ」
しばらく、車窓を眺めている映画部三人。
「おーっ!スバル360だぁ」
「おーい美雪―。まーたマニアックな単語を出してくるなw」
「そういえば普段乗ってて気づかなかったけど、じっくり見てみると古い建物があったり新しい建物があったり、
アーケード街とか銭湯とか町工場とか…意外と見てて飽きないわね」
すると、話し込んでいる三人に千夏が近づいてくる。
「そうでしょー?街並みに、生活にしっかり寄り添いながらのんびり走る。それが
「あ、車掌さん?」
「聞いてたよ。君たち映画を撮りたいんだって?」
「ええ、まぁ…」
と、言いかけていた美雪だったが、あるアイデアを閃いた。
「そうだ、この路面電車を題材に一本撮ってみようよ。周りの風景とか、生活とかも一緒にさ」
「そいつはいい考えだぜ!!」
「脚本づくりが忙しくなるわね!!よーし、やりますか!!」
意気投合する三人。
「うんうん!その意気だその意気だ!」
と、千夏は三人を励ました。
その様子を運転席で聞いていた佑の顔にも、思わず笑みが。そして、佑はポツリとつぶやいた。
「いやぁ、青春だね~…」
天空電鉄。
市民の足として、今日もみんなの笑顔を乗せて走り続ける。
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いつもの三人…のお姉ちゃんズが乗車したようです。
■出演
佑:https://www.tinami.com/view/748897
千夏:https://www.tinami.com/view/787556
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