No.101930

新たなる外史の道 5

タナトスさん

恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら?
という妄想から生まれた駄文です。
読んでもらえれば幸いです。


2009-10-19 21:20:13 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:11835   閲覧ユーザー数:9052

孫策さんと同盟締結からしばらくしたある日、孫策さんから手紙が届いた。

内容から言えば同盟の受諾の正式な了承と、袁術が孫策を暴動鎮圧の為に派兵することだった。その為合同作戦の為の両軍集結地点が書類に書かれていた。

 

集結地点は幽州と領内と荊州の境か・・・俺達、放棄した町や村、領土なんか無尽蔵に集め過ぎたな・・・袁紹なんか文句たれてきたが気にしない。

 

どうせ統治能力が無いんだ。今まで散々放置しといて、黄布党を俺らが追い払い、領地に食糧支援や足りない物資の支援をするや返せといってきた。

今度は返したら返したで、統治しきれず、暴動が相次ぎ俺に丸投げしやがった!!

 

その暴動を抑える条件として、土地の所有権をぶん取る事に成功、晴れて領土は俺の物になった訳だが・・・

 

袁紹め・・・サインと判子押しといていまさら返せときやがる・・・

顔良さんに文句たれると、見てるこちらが可愛そうなくらい頭を下げた。

 

だが、約束は約束、破るなら戦いも辞さない、そういうと顔良さんは青ざめた。

 

当然だ、兵数では10対5位の差があるのだ。幾ら金持ち袁家でも兵数が足りなかった。

 

なんせ、袁紹の奴軍備ケチってやがったからな・・・しかも、兵は訓練しているのかしていないのか解らん農兵だ。そいつらを集めればかなりの量になる。10対30になるが、俺は諜報機関を使いそのことも調査済みだ。兵を集結させる暇など与えない。

 

そう言ってやると更に顔良さんは更に青ざめ気絶するのでは? と思うほどになった。

 

俺はトボトボ帰る顔良さんを気の毒に見送った。

 

そんな時だ、孫策さんの使いが来たのは・・・

俺と愛紗はその使いを見て驚きを隠せなかった・・・

 

使いとしてきたのは蓮華、孫権と甘寧、思春、後もう一人は、メガネをルーペみたいなメガネをかけた目つきが鋭い少女だった。

 

謁見の時まさかまさかの展開に頭がフリーズしそうになった。

 

が、何とか持ち直し、礼をし、口を開く。

 

「遠路遥々ご苦労様です。俺が幽州の領主、北郷 一刀です。此方が、妻の愛紗です」

 

「遠路遥々幽州へようこそ、私が幽州の領主、北郷 一刀が妻の北郷 愛紗です。孫権殿、甘寧殿、どうぞお見知りおきを」

 

愛紗もそれに習い礼をしながら言う。

 

そういうと、孫権が名乗る。

 

「孫権だ・・・」

 

「・・・甘寧だ・・・」

 

「呂蒙です」

 

なんか・・・呂蒙意外滅茶苦茶不信な態度だ・・・甘寧なんか、露骨だ。

 

「いや~無礼ですな~ 我が主が礼を尽くし挨拶したのにその態度とは・・・ 孫家の名代は礼儀を知らんと見える・・・」

 

孫権の態度に星が嫌味を飛ばす。

 

孫権はキツク星を睨み、甘寧は今にも星に飛び掛りそうになる。メガネの少女はオドオドしていた。

 

それを涼しそうに受け止める星、だが臨戦態勢はとっている。

 

稟も孫権を何だコイツという目で見ていたし、あの風でさえ怒っていた。

「おやめなさい」

 

静かな声が謁見の間に響いた。

 

以外にも止めたのは愛紗だった。

 

「しかし、愛紗様、このような我々を舐めた態度など取らせていては・・・」

 

「もう一度言います、おやめなさい」

 

何処までも凛とした静かで響く声が愛紗の口から放たれた。

 

「・・・・・・解りました・・・・・・」

 

星はようやく下がる。

 

「我が臣下が大変粗相をいたしました。申し訳ありません・・・・・・

ですが、貴女方の態度にも問題がおありなのも確かです。貴女方は孫策殿の名代として親書を持ってこられた・・・なら、先ほどの態度は孫策殿の意思として取られかねない・・・

その様なことになれば、孫策殿は礼儀を知らぬものを使いに寄こした、何て礼儀を知らないものだと評価されます。孫権殿も一領主の将であり孫家の次期当主なら公の場での自分たちの立ち振る舞いに責任を持つべきでは?」

 

そういい孫権と甘寧に優しく諭す様にいう。

 

「・・・申し訳ない・・・」

 

孫権はバツが悪そうに謝罪した。

 

「な!? 蓮華様!?」

 

「思春、彼女の言うことも尤もだわ・・・お姉様の評価を私のせいで下げてしまってはお姉様に申し訳が立たないわ」

 

「・・・解りました・・・」

 

「北郷夫人大変申し訳ない事をした」

 

「謝る相手が違うわ、私にではなく、一刀様に謝るのが筋ではなくて?」

 

そう言われ、更にバツが悪そうに謝罪する。

 

「・・・北郷殿、申し訳ない・・・」

 

「いや、礼儀なんて俺も酷いものだから気にしないでくれ」

 

俺はそう言い孫権の頭を微笑みながら撫でた。

 

「ッ~~~~~~~~~!?!?!?!?!?!?」

 

「ん、孫権、顔赤いぞ、風邪か?」

 

俺は手を孫権のおでこにおく。

 

「な、ななななな、何でも無い、大丈夫だ!!」

 

「それはよかった」

 

俺はホッとしながらそういう。

 

「それよりも、本題に入ろう、孫策殿から親書を預かってきたとか」

 

「・・・此方だ・・・」

 

そう言い、孫権が親書を稟に渡す。

 

稟は俺の所まで親書を持ってきた。

 

「拝見する・・・」

 

俺がそう言う。

 

親書の中身は先ほどの内容と、孫権とその配下を鍛えて欲しいと言う内容だった・・・

 

繋がった・・・それでか・・・孫権が不信感を露にしたのは・・・

これじゃあ、人質として差し出されたと考えても不思議でない・・・

俺達の統治の仕方も盗めと言う命令も受けてるな・・・これは・・・

確かに、蓮華、孫権はそんなの向かないな・・・

しかも・・・天井裏に一人いるよ・・・

 

「解った、孫権殿、甘寧殿、呂蒙殿ご苦労だった。部屋を用意させるから暫く待ってくれ

ああ、後、天井にいる彼女にも部屋を用意させよう」

 

愛紗以外全員驚いた。

 

「・・・隠れるなら、もう少し旨く隠れることです」

 

愛紗が青龍偃月刀改を取り出し、天井に円を描く様に斬る。

 

すると・・・女の子が天井と一緒に落ちてきた。

 

「キャン!?」

 

「ずいぶんと可愛らしい密偵さんですね」

 

愛紗はからかう様にそういい、青龍偃月刀改を首元に近づける。

 

「明命!!」

 

「呂蒙、それ自分達が彼女との仲をばらしてる様なもんだから」

 

俺の言葉に呂蒙はしまったという顔をした。

 

「・・・・・・」

 

黒髪の少女、忍者のような服を着ている。

 

「さて、お嬢さん。君は孫策殿の密偵かな?」

 

「・・・・・・」

 

「まあ、良いや。孫権殿、彼女は君達の知り合いかな?」

 

「・・・ああ・・・周泰だ・・・」

 

孫権は渋々答えた。

 

「そうか・・・彼女が・・・

初めまして、周泰殿、俺の名前は北郷 一刀、よろしくね」

 

俺は笑いながらそういい頭を撫でた。

 

ん、何で赤くなってんだ、周泰、よく見れば孫権、甘寧、呂蒙、星、稟、風までどうしたんだ一体?

 

「・・・一刀様・・・それ、無自覚ですか、それともワザトですか・・・」

 

愛紗、何頭抱えてるんだ? 深刻そうに・・・

まあいい、重要なことを周泰に伝授せねば・・・

 

「君は隠密か、なら木箱を被ることを強く勧める」

 

「木箱・・・ですか・・・?」

 

「ああ、木箱は敵の目を欺く最高の偽装と言える。潜入作戦の必需品だ!!」

 

「そうなのですか?」

 

「勿論だ!! 木箱に命を救われたという工作員は古来より数知れない!」

 

「皆さん・・・木箱を使ってきたんですか?」

 

「当たり前だ!! 木箱をいかに使いこなすかが潜入任務の成否を決定すると言っても過言では無いだろう・・・」

 

「・・・・・・」

 

「ただし、いかに木箱といえど素材は木だ、手荒い扱いをするとすぐ壊れてしまう。

とにかく、木箱は大切に扱え! 丁寧に扱えば木箱もきっと君に答えてくれる。

真心をこめて使うんだ! 必要なのは木箱に対する愛情・・・

粗雑な扱いは許さんぞ!! いいな!!!!」

 

「ハ、ハイ」

 

ん、なんか、皆さん、ドン引きしてる・・・気のせいか・・・

 

「ん、んん!! 取り合えず、周泰殿の部屋も用意させますゆえどうぞごゆるりと」

 

そう言い愛紗が締めくくった。

 

 

数日後、雪蓮との合流地点にいる俺達と蓮華たち、そう、俺達はあの後真名を許された。

 

「やあ、雪蓮、待たせたな」

 

「ぶう~~一刀遅い~~!!」

 

「すまん、すまん、仕度に手間取った」

 

「それでは、軍議を始める前に自己紹介をしよう。私の名は周瑜、真名は冥琳だ、北郷殿、以後お見知りおきを」

 

「ワシは黄蓋、真名は祭じゃ、宜しくの! 北郷殿!」

 

「・・・いいのか?真名を呼んでも?」

 

「構わんさ、何せ、雪蓮が認めた男だ。真名を許すのは当然だ」

 

「ワシも公瑾と同意見じゃ」

「それじゃ、我が妻と我が臣下も紹介しよう・・・」

 

 

それぞれ、名と真名を交換し、黄布党討伐作戦が開始されようとしていた。

 

 

 


 
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