No.1019172

Octo Story 第17話「忍」

Nobuさん

Octo Story、ラストステージ回その3です。

2020-02-08 10:51:13 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:705   閲覧ユーザー数:705

 ジャンプポイントで上昇した私は、ホルモン回廊に辿り着いた。

 この中は狭くて息苦しい……でも、地上まであと少しだ。

「イイダ! エネルギーコアって何?」

 それは私も聞きたかった。

「地上へのエレベーターを起動する動力源です!」

 なるほど……これさえあれば、地上に脱出する事ができるのか。

 しかし、インクレーザーの罠がある……。

 私はまず、インクを塗ってセンプクし、インクレーザーをかわす。

 次のインクレーザーは、ジャンプしてかわす。

 その次のインクレーザーは、センプクしながらジャンプしてかわす。

 やれやれ、さっきからかわしてばかりだな。

 

 動くレーザーをかわしながら進んでいくと、端末からデンワの声が聞こえてきた。

「ガッ……ガガッ……オ……ノ……!」

「ん? なんじゃなんじゃ?」

「ジジィ、どうした? セピア、起きた?」

「いや、セピアはまだ起きんが……」

 ……嫌な予感がする。当たらなければいいのだが。

 

 最初のチェックポイントに辿り着く。

 金網の下から潜るが、ここにはトラップがない。

 ……いや、シャッターの前には多数のレーザーだ。

 奥から来る。私は、上手く隙間を潜ってかわした。

 黄色いスイッチを作動させてシャッターを開けるとまた奥から「田」の形のレーザーが出てきた。

 私はタイミングよくジャンプでかわし、中央のスイッチを作動させシャッターを開ける。

 今度は横に隙間なくレーザーがあり、ジャンプでもセンプクでもかわせない。

 どうすればいいのかと考えていると、いきなりレーザーが迫ってきた。

 私は大急ぎでレーザーをかわし、とっさの判断で壁にインクを塗ってそこにセンプクし、

 レーザーをかわして先に進んだ。

 とにかく、あらゆるものを利用すればいいんだな。

 これぞ戦場の鉄則だ。

 

「なんじゃこりゃー!」

「厳重な警備ですね……」

 先に進んだ私は、非常に厳重な警備に遭遇した。

 ジャンプやセンプクするだけでは突破できない、あらゆるものを利用しなければ。

 私は壁にインクを塗り、そこを伝ってレーザーの裏側に回り込み、スイッチを踏む。

 すると、床が開いて先に進めるようになった。

 

「……ガガッ! お、オノ……」

 デンワの様子がおかしい、何かあったか?

 ――すると、デンワがはっきりと喋り出した。

「おのれッ! 海産物ドモ! 許さんゾーッ!!」

 とうとう、デンワが目覚めてしまった。

 完全に私達を敵対視しているようだ。

「な! デンワ!! セピアに何を……」

「No.10008の他ニ、余計なヤツまでついて来やがッテ!」

「ヌワーーーーーーッ!!!」

 デンワ、セピアに何かしたのか!?

 すぐに現場に行きたいのだが、今はこのホルモン回廊を攻略中の身。

 セピア……どうか、無事でいてくれ。

 

 私は敵のトラップを潜り抜け、エネルギーコアを目指すのであった。

 

 ――ずきん。

 再び私を頭痛が襲う。

 私の中に、映像が入ってくる。

 

『残……は……魚……み……』

 「彼」が、ぽつりぽつりと、荒廃した世界で呟いている。

 ここにはもう、何も残っていないようだ。

『新……な……を……者……どう……こ……界……望……えて……』

 建物は崩壊し、各地に水が飛び散っている。

 既に、海面上昇で文明が滅んだ後だろう。

『人間……轍……踏……る……は……い。博士……め……も……ら……て……か……け……ば……』

 博士、人間、という言葉を呟く「彼」。

 「彼」は人間が存在した時代からいるのだろうか。

 だとすると、「彼」が言っている「博士」は……。

 

 遥か昔、12000年前にいた、あの……?


 
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