ジャンプポイントで上昇した私は、ホルモン回廊に辿り着いた。
この中は狭くて息苦しい……でも、地上まであと少しだ。
「イイダ! エネルギーコアって何?」
それは私も聞きたかった。
「地上へのエレベーターを起動する動力源です!」
なるほど……これさえあれば、地上に脱出する事ができるのか。
しかし、インクレーザーの罠がある……。
私はまず、インクを塗ってセンプクし、インクレーザーをかわす。
次のインクレーザーは、ジャンプしてかわす。
その次のインクレーザーは、センプクしながらジャンプしてかわす。
やれやれ、さっきからかわしてばかりだな。
動くレーザーをかわしながら進んでいくと、端末からデンワの声が聞こえてきた。
「ガッ……ガガッ……オ……ノ……!」
「ん? なんじゃなんじゃ?」
「ジジィ、どうした? セピア、起きた?」
「いや、セピアはまだ起きんが……」
……嫌な予感がする。当たらなければいいのだが。
最初のチェックポイントに辿り着く。
金網の下から潜るが、ここにはトラップがない。
……いや、シャッターの前には多数のレーザーだ。
奥から来る。私は、上手く隙間を潜ってかわした。
黄色いスイッチを作動させてシャッターを開けるとまた奥から「田」の形のレーザーが出てきた。
私はタイミングよくジャンプでかわし、中央のスイッチを作動させシャッターを開ける。
今度は横に隙間なくレーザーがあり、ジャンプでもセンプクでもかわせない。
どうすればいいのかと考えていると、いきなりレーザーが迫ってきた。
私は大急ぎでレーザーをかわし、とっさの判断で壁にインクを塗ってそこにセンプクし、
レーザーをかわして先に進んだ。
とにかく、あらゆるものを利用すればいいんだな。
これぞ戦場の鉄則だ。
「なんじゃこりゃー!」
「厳重な警備ですね……」
先に進んだ私は、非常に厳重な警備に遭遇した。
ジャンプやセンプクするだけでは突破できない、あらゆるものを利用しなければ。
私は壁にインクを塗り、そこを伝ってレーザーの裏側に回り込み、スイッチを踏む。
すると、床が開いて先に進めるようになった。
「……ガガッ! お、オノ……」
デンワの様子がおかしい、何かあったか?
――すると、デンワがはっきりと喋り出した。
「おのれッ! 海産物ドモ! 許さんゾーッ!!」
とうとう、デンワが目覚めてしまった。
完全に私達を敵対視しているようだ。
「な! デンワ!! セピアに何を……」
「No.10008の他ニ、余計なヤツまでついて来やがッテ!」
「ヌワーーーーーーッ!!!」
デンワ、セピアに何かしたのか!?
すぐに現場に行きたいのだが、今はこのホルモン回廊を攻略中の身。
セピア……どうか、無事でいてくれ。
私は敵のトラップを潜り抜け、エネルギーコアを目指すのであった。
――ずきん。
再び私を頭痛が襲う。
私の中に、映像が入ってくる。
『残……は……魚……み……』
「彼」が、ぽつりぽつりと、荒廃した世界で呟いている。
ここにはもう、何も残っていないようだ。
『新……な……を……者……どう……こ……界……望……えて……』
建物は崩壊し、各地に水が飛び散っている。
既に、海面上昇で文明が滅んだ後だろう。
『人間……轍……踏……る……は……い。博士……め……も……ら……て……か……け……ば……』
博士、人間、という言葉を呟く「彼」。
「彼」は人間が存在した時代からいるのだろうか。
だとすると、「彼」が言っている「博士」は……。
遥か昔、12000年前にいた、あの……?
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Octo Story、ラストステージ回その3です。