No.101611

真・恋姫無双~子義と仲達~11

gatsuさん

第11話です。
今回は汜水関の戦いです。
蜀の面々との絡みも少々あります。

2009-10-18 01:12:39 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:3710   閲覧ユーザー数:3393

この作品は恋姫の二次創作です。

オリキャラ込みです。

初めてなので駄文です。

それを踏まえて読んでいただけると幸いです。

第11話:武神、並び立つ

関羽「くそっ!……敵は思ったより冷静だな、何とかせねば!」

趙雲「落ち着け愛紗。お前がいきり立ってどうする」

城門前では劉備軍の武将、関羽と趙雲が手をこまねいていた。

さっきから、いくら挑発しても華雄は出てこない。

恐らく張遼が抑えているのだろうが……。

関羽「しかしこのままでは、いたずらに戦局を長引かせるのみ。であればいっそ私が!」

趙雲「だから、お前が落ち着かねば如何しようもないであろうに」

健「うん、やからとりあえず落ち着け」

2人「!」

いきなり現れた健に、2人は警戒を強める。

健「ああ、悪い。俺は孫策軍所属の太史慈、字は子義や」

関羽「ほう、あなたが噂に名高い孫呉の神風か。……我が名は関羽、字は雲長だ」

趙雲「我が名は趙子龍。……して、孫呉の神風殿がなぜここに?」

健「うちの軍師殿の命令で、おたくらを手伝いに来た」

関羽「それは有難いが、……見ての通り、未だ華雄を誘い出せずにいる」

関羽は苦々しい表情で、汜水関の方を見た。

健「あー。その辺は俺に任して」

趙雲「ほう。……何か策がおありか?」

健「まぁ、策って程じゃないけど。うちの軍師見習いに入れ知恵されて来た」

趙雲「軍師見習い?」

健「応。やから挑発は俺に任せて、おたくらには出てきた阿呆の料理をお願いしたいんやけど」

関羽「その点は任せておけ!この関雲長、必ずや華雄を討ち取って見せよう!」

……なんか関羽って、何処となく雪蓮に似とるなぁ。

俺は小声で趙雲に話しかける。

健「……なぁ子龍さん。関羽って、もしかして猪?」

趙雲「……やはり分かるか」

健「まぁ、日常的にあの手の人間相手にしとるからなぁ」

趙雲「お互い苦労するな」

健「全く」

関羽「お前ら!何をひそひそと喋っている!」

健「いや、何でも。んじゃ、俺は華雄を誘い出してくるわ。多分後から孫策来るんで、よろしく……」

辺りを見回す。

健「あっこからなら、……ふっ!」

俺は三角跳びの要領で、一気に関の上まで登った。

趙雲「……愛紗よ。人はあそこまで跳躍できるものなのか?」

関羽「……普通はできんだろう。少なくとも、私には無理だ」

2人は、健の規格外の行動に、ただただ呆然とするだけだった。

~汜水関の上~

董卓軍兵士「申し上げます!汜水関に単騎で潜入した者在り!」

華雄「何だと!さっさと捕まえろ!ヤツらめ、さっきから私を舐めおって!」

張遼「ええ加減落ち着けや!……けどこの汜水関に単騎で入るって、どんなヤツやろ?」

健「こんなヤツ?」

2人「!?」

2人が見る先に、城壁の上に立っている人間がいた。

健「こんな簡単に入れるとか、警備もザルやのう」

華雄「何ぃ!」

健「ま、こんなザルな警備しとる人間なんてたかが知れとるな」

華雄「貴様!何処までも愚弄しおって!私と戦え!」

健「嫌や、阿呆の相手は疲れるんでな。でも……」

俺は2人に背を見せつつ、中指を立てて言う。

健「そんなに神風と戦いたけりゃ出て来いや、猪が。」

言い放って、城壁を飛び降りた。

それを見て張遼が駆け寄り、下を覗き込む。

張遼「ほえー、この高さを飛び降りるんかい。というか神風って、もしかして太史慈のことか?華雄、こりゃあいつは放っておいた方が……」

董卓軍兵士「華雄軍、出撃を開始!」

張遼「……あーもー!これやから猪は嫌いやねん!」

~汜水関前~

健「ただいまー」

雪蓮「お帰り健。……首尾は上々ね」

帰ってきた先には既に雪蓮達が合流していた。

そして遠く、後ろには漆黒の「華」一文字の旗が見える。

健「ま、一刀の入れ知恵のお陰やな」

一刀「へへ。上手くいって良かったよ」

得意げな一刀。

冥琳「で、北郷は何と健に助言したのだ?」

一刀「簡単に言えば、敵の目の前に行って挑発をしてもらったんだ。健の身のこなしなら大丈夫かなって思ってね」

健「こんな感じでな」

先ほどと同じように中指を立てる。

雪蓮「……確かにその指、切り落としたくなるわね」

一刀「だろ?これは俺達の世界では一般的な挑発なんだけど、さんざん罵られてた華雄には効果抜群だったみたいだな」

思春「……そろそろ話は終わりだぞ」

見ると、華雄軍はもう目前に迫っていた。

雪蓮「よし。……我らはこれより、劉備軍と協力して華雄軍を殲滅!その後汜水関を落とす!孫呉の力を、ヤツらに刻みつけよ!」

怒号のような兵達の声と共に、孫策軍は突撃を開始した。

趙雲「華雄が出てきたようだな」

関羽「ああ。……しかし太史慈は、一体どのように挑発したというのだ?」

自分達がいくらやっても華雄を引きずり出す事は出来なかった。

それをあの男はいとも簡単にやってのけた。

その事実が悔しく、またその力には興味がある。

趙雲「ふ……、では本人に聞いてみてはどうだ?」

趙雲は彼方を見ながら言う。

その方向から、太史慈……健本人がやって来た。

健「よう、お二方」

趙雲「子義殿、上手くいったようだな」

健「応。……じゃあ、華雄を仕留めるとしよか」

関羽「ああ。そなたが味方にいれば心強い」

健「そらどうも」

話を終え、3人は敵の方に向き直る。

関羽「我が名は関雲長!我が魂魄を込めた一撃、受けてみよ!」

趙雲「我が名は趙子龍!我が無双の槍、その身に受けよ!」

健「我が名は太史子義!我が神速の剣技、その身で体感せぇ!」

名乗りをあげた3人の武人は、兵と共に敵陣に突撃していった。

董卓軍兵士「華雄様!前線が関羽、趙雲、太史慈の部隊に圧されています!」

華雄「くそっ、我が軍が圧されているだと!兵を集めろ!前線へ突撃をかける!」

張遼「ちょ、待ちいや!いくらなんでもお前だけでその3人相手に出来んやろ!?」

華雄が突撃をかける直前で、張遼がわって入る。

華雄「しかし!我が目の前で私を愚弄した太史慈!あの男だけは許さん!」

張遼「そらあんなことされて腹立つんは分かる!でもそれでうちらが我を失ったら、誰が月を守んねん!」

華雄「……っ!」

そう、我々は董卓を守るために戦に出た。

何としても董卓……月を守らなければならない。

己の命にかえても。

張遼「……少し落ち着いたか?」

華雄「……ああ。」

張遼「なら、うちらは虎牢関に退くで。ええな?」

華雄「……分かった」

正直、退きたくはない。

だが、月を守るためにはここは退かざるをえない。

張遼「愚弄された怒りは、虎牢関で返せばええ。退くで」

華雄「……全軍!虎牢関に退くぞ!……太史慈!私を愚弄したこの恨み、虎牢関で必ず返してやる!」

相手が聞いている筈も無いが、華雄はそう言わずにはいられなかった。

その後、華雄・張遼両部隊は退却を開始した。

思春「敵の旗が後退を開始!追いますか!」

雪蓮「いいわ、追撃はしない」

冥琳「ああ。虎牢関でも戦わなくてはならんからな。無用な兵の損失は避けたい」

明命「では、この後汜水関に入城という事でよろしいでしょうか?」

雪蓮「ええ。……最後に華雄が何か言ってたわね?」

冥琳「……どうやら健は、ヤツの恨みを買ったようだな」

冥琳が小さく笑う。

一刀「なぁ、ちょっといいかな?」

雪蓮「どうしたの、一刀?」

一刀「この戦いの事をさ、荊州を中心に喧伝したらどうかな?何人かの兵を変装させて、「孫策軍の活躍で勝利」っていうのを各地に伝え歩く。……どう?」

冥琳「ほう、良い手だな。……それは天の知恵か?」

一刀「ま、そんなとこ。……あ、健だ」

一刀が、こちらに戻ってくる健の部隊に気づいた。

すぐ後ろに劉備軍の者もいる。

健「ただいまー。雪蓮、劉備さんが話あるって」

雪蓮「分かったわ。穏、さっきの一刀の策の方、よろしくね」

穏「了解でありま~す」

穏が返事をして出て行った後、劉備がやってきて雪蓮と話し始めた。

恐らく、さっきの戦の礼だろう。

関羽「太史慈殿」

振り返ると、関羽がそこにいた。

関羽「ご助力、感謝する」

健「ええって事よ。しっかし、さすがは関雲長やったな」

関羽「そちらこそ、さすがは孫呉の神風と呼ばれるだけはある」

お互いの武を称えあう。

関羽「いずれ、手合わせ願いたいものだ」

健「今は勘弁な。さすがにしんどい」

関羽「分かっているさ。……また共に戦えるのを楽しみにしている」

健「こちらこそ」

関羽「では」

軽く挨拶を交わし、関羽は劉備の所に向かった。

一刀「……なんか、羨ましいな」

健「何が?」

一刀「武っていう形に出来るもので、お互いを認め合えるっていうのがさ」

健「お前も、知っていうもので、己の力を形に出来たやろ?」

一刀「まぁ、まだまだだけどね」

健「ま、その辺はこれから鍛えていけばええ。しっかり励めよ、少年」

一刀「ははは、そうするよ」

お互い笑い合い、戦での働きを称え合う。

一刀は、着実に成長している。

その事実を感じられて、健は少し嬉しかった。

一刀「……なぁ、健」

健「何や?」

一刀「……なんか、疲れてない?」

健「そら、さっきまで動き回ってたんやから当たり前やろ」

一刀「いや、そうじゃなくて。……なんか、いつもより汗かいてるし」

健「気のせいちゃう?俺、元々汗っかきやし」

一刀「……そっか」

この時一刀は、健が何か隠しているように見えた。

気のせいかもしれないが、それは違和感として確かに感じられた。

G「はい、今回のチラ裏小話なんですが……」

 

星「……」チャキッ

 

G「……星さん、槍こっち向けないでもらえます?」

 

星「……なぜ私の出番があれだけなのか、説明願おう」

 

G「え、えーっとですね、俺って好きな物は最後に食べる派で」

 

星「?」

 

G「つまりほら、もっと後にもっと活躍を予定しているんで」

 

星「……本当だな?」

 

G「ハイ、ホントウデスヨ」

 

星「ならばよし!」

 

G(危ねぇ。ホントは全く白紙だけど、こりゃ活躍させなきゃ命ないな……)

 

健「……で、俺は放置か?」

 

2人「あ、いたんですか(いたのか)」

 

健「……主人公のはずよね?俺……」

 

G「あー、いじけないでください!ほら、今回も活躍してたじゃないですか」

 

星「うむ。汜水関で見せたあの跳躍、あれは並の人間では出来んな」

 

健「あー。まぁ、身のこなしは軽い方やから」

 

星「それにしても軽すぎではないか?」

 

健「そこはこれまでの成果って事で」

 

星「ほう。よほど修行を積んだと見える」

 

G「さて、次回ですが」

 

健「虎牢関の戦い、やな」

 

G「無茶しやがって……」

 

健「死亡フラグ立てんな!」

 

G「でも、健さん初のピンチです」

 

健「……え、マジ?」

 

G「では、また次回で」

 

健「ちょ!そこ詳しく話せや!」


 
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