う、嘘だろ!?俺の運が力負けするなんて・・・!
レミリア「これで終了。私の勝ちよ」
2人の得点は、俺が-75000点、レミリアが128000点との天変地異の差で惨敗する。
あり得ない!俺が運命に流されるなんてただ事じゃない!そんな奴は俺達の世界にはいないのに・・・!
その時、俺の両手首に重みを感じたと思いきや、いつの間にか鎖が巻きつけられており、俺の身体は自然と後ろにあった十字架に貼り付けられる。
ジュウゴロウ「な、なんだよこれは!?何するつもりだ!!」
咲夜「貴方はお嬢様を大変疑った罪により、お嬢様の生贄となってもらいます」
ジュウゴロウ「どういう意味だそれは!!生贄って何をする気だ!!」
レミリア「貴方の血を全部いただくのよ」
血を全部・・・・・まさかこいつ、吸血鬼なのか!?待て!!俺は信じたくないと思っていただけだ!!
その反論に否定するもなく、レミリアは俺に近づいて首筋辺りをさする。
レミリア「いい味をしてそうね。それじゃあ、いただくわ・・・」
そう言ってレミリアは首筋に牙を向けた。
よせっ!!よせぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!
ジュウゴロウ「うああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
断末魔をあげたその直後、殺気は何もなかったように静まり、場所もいつの間にか違和感のない部屋のベッドの上にいた。自由の身にもなっているし、首筋をさすってみても噛み付かれた跡がない。
夢、だったのか・・・?
咲夜「気がつきましたか?」
ジュウゴロウ「! 咲夜・・・!」
俺はベッドから降りて彼女、咲夜を睨んだ。まだ俺は敵であると判断しているからだ。
咲夜「貴方はお嬢様を見た瞬間、軽い脳震盪で意識を失ってしまったのです」
ジュウゴロウ「俺が、意識を・・・(そうか、俺はアイツの威圧感に負けて・・・)」
俺は何か心薄れた気持ちで落ち込んだ。恐ろしいとかではなく、俺は運命に負けたことなんてなかったんだ。なのに彼女は何もしてないように見えたが、自然に負けた。
もしレミリアの言っていた、運命を操れることが本当なら、もう信じざるを得ないだろう・・・と、俺は、
ジュウゴロウ「咲夜、彼女は今何処に?」
咲夜「ベランダのほうで紅茶を飲まれておりますが、お体はもう大丈夫ですか?」
ジュウゴロウ「問題ない。案内してくれ」
ベランダに案内された俺が見たのは、綺麗な夕日を眺めながら紅茶を啜るレミリアの姿だった。
カリスマの人間は俺達の世界にもいるが、彼女もまたそれの人材であるに違いない。
ジュウゴロウ「・・・あの、俺は・・・」
レミリア「分かってるわよ。信じるか信じないかは貴方次第。けどさっきは申し訳なかったわ。急に倒れたものだから心配したけど、貴方はどうして私を見たときに身を引いたの?」
誤ろうとしていたつもりが逆に質問されてしまった。
ジュウゴロウ「・・・俺は、人には見えず、俺しか見えない力、オーラが見える。その時のオーラは、俺のオーラより強く感じた」
レミリア「意外ね。外界の人間が能力持つなんて」
ジュウゴロウ「能力じゃない。そういう眼になっているだけだ」
レミリアはその答えにピクッと反応する。
レミリア「人間みたいには見えるけど・・・」
ジュウゴロウ「貴方は確か、吸血鬼だったよな?その羽で分かる。それと同じように俺もただの人間じゃない。俺は改造人間だ」
そういった直後、それを聞いた咲夜は驚く。レミリアは微動だにしないほどの冷静さで見ている。
咲夜「まさか、改造人間なんて何のために・・・!」
ジュウゴロウ「俺の過去の前に、俺達の世界のことを話す。俺達の世界はポケットモンスター、通称ポケモンと呼ばれる生き物と、科学の力を使って暮らしている近未来世界だ。ポケモンは人間以上の知性、体力を持ち、人間との協力やコミュニケーションをとっているのだが、それが全てではない。この世には、ポケモンを利用した悪意ある秘密結社が存在した。その組織の名は、ロケット団。ロケット団はポケモンの力を使い世界をのっとろうとするのが目的として、時には伝説的な力を狙う組織だ。科学力も非常に優れ、世界最強の組織と呼ばれているほどだが、3年前にわ先代ボスの命令により解散した。しかしその3年後に再び活動が開始された。俺はその組織の幹部かつ、総支配人。つまり2代目ボスだ」
咲夜「それじゃあ貴方は、本来は悪い人間ということ・・・」
ジュウゴロウ「過去はな、ここからが本題だ。俺が生まれたときから親父に頭脳を改造されるが、暫くして親父は帰らぬ者となった。親父はこの世を無くそうとしたマッドサイエンティストで、俺が一番恨んだ男だ。恨みは殺人鬼へと生まれ変わらせ、俺は多くの人間を殺した。ざっと1000人は殺ったな。警察さえも手の内用がない完全犯罪だったぜ」
レミリア「・・・似てるわね」
ジュウゴロウ「ん?」
レミリア「何でもないわ。続きを聞かせてくれる?」
ジュウゴロウ「・・・俺は殺していくたびに恐怖を浴びた。全身の魂が抜けるように、目の前が真っ白となったその瞬間に、俺の感情は一つの光に飲まれた。女が俺の耳に聞こえ、こう語った。『貴方は悪い人ではない。あなた自身の心を無くさないために隠していただけ。これからのために強さを知りなさい』ってな。女の名はシロナ、初めは精霊が誰かと思ったが、数年後による事実では健在する学者ということが分かった。俺はシロナから呪縛を解き放してくれたあと、自らアジトを破壊し、ボスを辞退した。その後に誓ったさ、俺は最強を知る努力をしてきた。仲間を加え、俺達は大魔神を結成して戦い続け、ついに最強を見つけた。歴史に名を刻む男として・・・」
レミリア「そして今のように生き続けているのね」
ジュウゴロウ「但し、俺の仲間もこの幻想卿にいる。知ってたら教えて欲しいのだが・・・」
レミリア「残念だけど、何も覚えはないわ」
咲夜「私も覚えは・・・」
駄目だったか・・・。みんなは無事でいてるのか・・・?
レミリア「名前、まだ言ってなかったわね。私は・・・言うまでもないわね?」
ジュウゴロウ「レミリア・スカーレットだろ?夢で名を聞いた。俺はキバシ ジュウゴロウ、ポケモントレーナーだ。よろしく頼む」
俺はレミリアに手を差し伸べる。
レミリア「何よそれ」
ジュウゴロウ「今日の敵は明日の友達という言葉がある。握手はその証だ」
レミリアは仕方なさそうに握手をする。その後に咲夜もついでとして握手をしておいた。
咲夜「あと紹介しておくとしますと、門番の・・・」
ジュウゴロウ「紅 美鈴。本人が言っていた」
咲夜「じゃあ、あとはパチュリー様がこの館におられます。大図書館の魔法使いです」
ほぅ、もう1人いるのか・・・。と、思っていた直後にレミリアがカップを差し出して、
レミリア「良ければ紅茶でも飲む?」
と誘った。ありがたく受け取るがしかし・・・
ジュウゴロウ「すまないが、これは紅茶か?」
俺は紅茶を飲ませてくれる誘いは嬉しかったが、レミリアに即反論した。それはまさに、人間の血である。
咲夜「お嬢様が飲むのはこういう紅茶ですので・・・って、ジュウゴロウ様!?」
俺はその言葉を気にせずに血の紅茶のカップを口に注ぎ、ゴクッと音を立てて飲んだ。
レミリア「面白い人ね。血を平気で飲めるなんて」
ジュウゴロウ「俺の勝手だ」
今日はもう遅い。泊めてもらうことにした俺だが、ここで生活してもよいとの許可がレミリアから言い出される。だが・・・
ジュウゴロウ「しまった。変えの服とかがないや」
レミリア「忘れてたけど、貴方の荷物を紫から預かっているわ」
ジュウゴロウ「何!?」
その時に咲夜と違った別のメイドがやってくると、彼女の手には俺のリュックにアタッシュケースがあった。
俺はリュックを受け取って中身を見てみると、ノートパソコンや着替えの服、さらには傷薬が入っていて、アタッシュケースには、前の大会で優勝した賞金が納められている。
ジュウゴロウ(フッ、アイツめ・・・許してやるとするか)
レミリア「あ、それとジュウゴロウ」
俺はレミリアに呼ばれて顔を向ける。
レミリア「ようこそ、幻想郷へ。私達が歓迎するわ」
ジュウゴロウ「・・・こちらこそだ、レミリア」
こうして俺の幻想郷生活が始まった。
以上、第4話でした。
それにしてもレミリアは強いねぇ。夜聖の闘牌で知ったので大体強いということは分かってます。しかし、本気になったジュウゴロウは凄い強運なのは事実です。
次回はサイ視点でお話を進めます。果たして誰と出会うのか!?そして彼の運命は!?
次回第5話へ、続く!!
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ポケットモンスターの世界に住むトレーナー達が幻想郷へやってくる不思議な物語。