仕事の話
朝起きる。
やる事は決まっている。
身支度をして、朝食の用意をする。(といっても箸を用意するだけなのだが。)
しばらく経ってヨッカガイが起きる。
「おはようございます。カニワさん。」
「おはよう。ヨッカガイ。」
それからしばらく経ってヨウカとツキノワが起きる。
「おはようございます。カニワさん。」
「おはよう。カニワ。」
「おはよう。ヨウカ、ツキノワ。」
「ねえ、カニワさん? セッ・・・」
「あー! あー! はいはい。下ネタはやめよう?」
「じゃあ、みんなで朝食を摂りましょう。衣・食・住(セックス関係)は大事ですから。」
「では、そうしよう。」
「いただきます。」
私が挨拶をすると、3人は食べ始める。
次いで、私が食べ始める。
「ごちそうさま。」
「ところで、」
ヨッカガイである。
「仕事(クエスト)の話なのですが、方針をどうしますか?」
「方針というと?」
これは私である。
「仕事は、薬草集めなどの素材集め、ゴブリン征伐などの征伐依頼、そして、複数パーティーによる征伐依頼がありますが、どうします?」
「征伐依頼が良いんじゃないかしら?」
ツキノワである。
「分かりやすくて、良いと思うけど。」
「そうですね。確かに。」
「異議はあるかな?」
「特になし。」
「では、決定。単独パーティーでの征伐依頼を行いますわ。」
「レッサードラゴン(下位竜)征伐依頼がありますけど、受けますか?」
受付嬢である。
「はい、受けます。」
「そうですか、ここにサインをいただけますでしょうか?」
「はい、これで良いですか?」
「ありがとうございます。」
受付を終えた。
「レッサードラゴンですか?」
「そうだよ。レッサードラゴン。」
「良いんじゃないですか?」
「ドラゴンと言ってもレッサーだしね。」
「分かりました。じゃあ、行きましょう。」
レッサードラゴンの巣は行き帰りだけで半日かかる処にある。
だから11時つまり朝出発するのだ。
「だるい。まだかかる?」
「ヨウカは天使だから、歩き慣れていないんだね?」
「そうだ。」
「そうなの。」
「それで?」
「もう着くよ。」
レッサードラゴンの巣は森の中にある。
今その森に入るところだ。
森の奥へと進む。
恐らくもうレッサードラゴンの巣に入っているだろう。
まず、レッサードラゴンの居場所を調べる。
「探査。」
魔術「探査」で居場所を調べる。
「いた。距離1000m東北。」
耳をすますとドラゴンの鳴き声らしきものが聞こえる。
そして、パーティー全体が緊張感のある感じになった。
「ヨウカ、様子を見て来てくれ。空を飛んでだ。」
ヨウカに様子を見に行くように言う。
「分かった。」
と短く1言言うと、飛翔する。
15分後、ヨウカが戻って来た。
「見て来た。」
「ありがとう。」
「じゃあ、近づこう。」
私の言葉でパーティー全体が慎重に素早く近づいて行く。
ツキノワがエンチャントする。
属性は魔だ。
森の開けた処にレッサードラゴンが見えて来る。
私が合図すると、一斉に攻撃する。
レッサードラゴンに対して私とヨッカガイがファイアを放つ。
命中する。
ヨウカが空を飛ぶ。
勢いで切る。
命中する。
エンチャントしているお陰で割とダメージは与えられる。
致命傷とはいかないが。
怒ったのか、レッサードラゴンが吼(ほ)える。
さっきの連携をもう1回やる。
ヨウカがうまく立ち回っているお陰でこちらまで、攻撃が及ばない。(レッサードラゴンは大きい手足を使って攻撃するようだ。)
レッサードラゴンがその翼で飛ぶ。
ヨウカは対応出来るのだが、私とヨッカガイは上に向けてファイアを撃たなければならない。
上を向き続けるので、首が痛くて仕方がない。
この際、空を飛べる魔物に任せた方が良さそうだ。
召喚術を使う。「バエル!」
バエルを召喚した。
翼を持つ魔物(翼を持つ獣の姿)が現れた。
「レッサードラゴンを攻撃しろ! バエル。」
「分かりました。」
すぐさま、飛んで行ってレッサードラゴンに喰ってかかる。
私は召喚の維持に精一杯なので、ファイアは撃てない。
ヨッカガイはバンバン撃っているが。
ヨウカはバエルの支援を受けて、レッサードラゴンの首に切りかかる。
首を切り落とされ、レッサードラゴンは地に落ちる。
「いやあ、ヨウカだけレベルが違うような気がする。」
「私もそう思います。」
「それほどでもない。」
「征伐の証としてレッサードラゴンの首でも持ち帰りますか?」
「それは難しいな。」
「じゃあ、どうします?」
「ドラゴンの目玉でも持ち帰ろう。」
少々目玉をくり出すのに時間がかかったが、無事、目玉を手に入れた。
私が責任を持って、持ち帰った。
報酬を受付嬢からもらって帰る。
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女は健常者だった。
しかし、女として欠落していた。
何がかと言われると、はっきり言葉には出来ないが、何かが、欠落していた。