No.100873

真・恋姫†無双 金属の歯車 第七話

この物語について
・真・恋姫†無双をベースにとある作品の設定を使用しています。クロスオーバーになるのかな?まあ混ぜている作品は題名でわかるよね。
・クロスオーバーが苦手な方には本当におすすめできない。
・俺の◯GSを汚すんじゃねぇって方もリアルにお勧めできない。
・ちなみにその設定は話の本筋にはあんまり関係ありません。

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2009-10-14 00:06:38 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:4919   閲覧ユーザー数:4352

「いやぁ、よかったよかった。この野郎」

 そういって大天幕の椅子に荒っぽく座る。

軍議というのはもっと厳かな物だと思っていた。しかし実際には袁紹の高笑いを聞きに行くだけの行事になりはてていた。

 

 第七話 疾風怒濤 ~Scene~

 

「全く先鋒を任された時は冷や汗でしたが・・・今度は随分後曲に回されましたね」

「あんまり配置は変えるものじゃないのだ!」

「それにしても袁紹軍の位置は相変わらずです・・・」

「一気に上がりもせず下がりもせず。いっそ奥で縮こまって欲しいです」

 さんざんな言われようだがその通りだった。

総指揮を執るなら全体を見回す必要があるため思いっきり下がるものだと思ったが、どこの援軍を不意打ちを怖がっているのか。

「で、我らはどこの軍の後ろなのですか?」

「ウチの軍の後曲さ」

 大天幕の入り口に長い茶髪を束ねた女性がこちらを伺っていた。

「お主は誰だ?」

「ああ、すまない。あんたらの前曲を任された馬騰の娘、馬超だ」

「ほう・・・では貴公があの名高い錦馬超か」

「やめてくれよ、錦馬超なんて」

「そうだぞ、みんな。そろそろ私をご主人様とか言うのも止めろ」

 ついでに自分の意見も通そうと試みる。

「で、馬超さんは何でここに?」

 しかし桃香さんはあっさり華麗に聞き流した。

「ああ・・・えっと・・・」

「あ、ごめんなさい。私は劉備、字は玄徳」

「私は関羽だ、字は雲長」

「鈴々は張飛なのだ」

「私は趙雲」

「私は諸葛亮・・・です」

「・・ほ、鳳統です」

「・・・あれ、ご主人様は?」

「ふん・・・グレてやる」

 劉備軍のまとめ役であるご主人様は天幕の隅でいじけていた。

 

 * *

 

 馬超はわざわざ挨拶に来たらしい。軍議で顔を合わせたときに挨拶すればいいものの義理堅いという人物だ。

彼女は桃香の噂が気になっているらしく、また会う約束をして自分の陣に帰っていった。

しばらくして董卓軍の動きが活発化し始めた。

陣から呂と張の旗があがったのだ。飛将軍、呂布と神速、張遼がこちらを睨んでいることになる。

そして連合軍、董卓軍が対峙した。

 

 * *

 

「虎牢関を守るのは天下の飛将軍、呂布将軍と神速、張遼将軍です」

「外に布陣しているのを考慮すると、おそらく決戦を望んでいるのだと思います」

「雛里ちゃん、それってどういうこと?」

「おそらく連合軍を蹴散らして、その後悠々と撤退するつもりだろうな」

 雛里の代わりに一刀が説明する。

後曲ながら前曲の馬騰軍は騎馬隊を中心とした部隊だ。彼らの援護で忙しいかもしれない。

「それはまあ我々も舐められたものですね」

「総大将があの袁紹なら仕方ないのだ」

 愛紗と鈴々が続けて感想を漏らすが納得できる内容だった。

「愛紗、鈴々、星」

「はい?」

「どうしたのだ?」

「はっ」

「呂布と当たるときは必ず三人以上で当たってくれ」

「へ?どういうことなのだ?」

「それくらい用心して当たってくれって事だ」

「ご主人様、我々の武をお疑いですか!?」

「そうではない!」

 珍しく彼が声を荒げる。

「愛紗よ、世の中は広い。我々は井の中の蛙やも知れん・・・。そういうことですな?主」

「それに呂布軍は最初から戦場から撤退する気だ。ヘタに手を出して噛まれるのも面白くない」

 前方に目をやると戦端が開かれるその瞬間だった。

「いくぞ、みんな」

 その言葉に全員が各々の武器を手に取った。

 

 

「やはりこちらのほうが優勢か」

 まさに数の暴力だ。

何せ半包囲戦。いくら呂布軍、張遼軍といえど数を当てられてはひとたまりも無かったようだ。

しかし背水の陣という効果はすさまじく、士気も依然高い。油断をすれば、何時こちらまで攻め込まれるか分からない。

「馬騰軍の状況は?」

 シ水関で危ない目に遭ったため後ろの後ろまで引き下げられ、監視役として横にいる朱里に状況を聞く。

雛里は劉備軍前曲の指示を出しているはずだ。

「あまり芳しくないです。やはり飛将軍、呂布に手こずっているかと・・・」

「援護に向かおう。馬超をここで失うのは惜しい」

「そうだね、私は馬超さんともう一回お話する約束をしたしね!」

 朱里は少し考えた後大きく頷く。

しかしその言葉を遮るように伝令が入る。

「敵軍が一丸となって突出してきます!旗印は呂!」

「ちぃ!急いでくれ!」

 

 * *

 

「ふっ」

「あら?何か面白いものでもあった?」

 所変わって曹操軍では、張遼軍との交戦中だった。

曹操が大層張遼を気に入り、彼女を我が物とするためだった。

その様子を後方から見ていた曹操が、どこにいるか知れない人間に声をかけた。

「一度呂布と手合わせしたかったのだが・・・その想いは無駄に終わるようだ」

「確かに馬騰軍はすばらしいわ。けどあの勢いはどうしようもない。まさかその馬騰軍に呂布が討ち取れるとでも?」

曹操の横に控えている荀彧が見えない人間に向かって叫ぶ。

「よく見ろ、桂花。劉備軍が前進を始めた。あれでは我が想い、打ち砕かれることになるだろう」

「関羽に張飛、趙雲・・・」

「それに・・・奴もいる」

曹操が挙げた名前に一人を付け加えた。

「北郷一刀・・・」

 

 * *

 

 最前線では馬超と呂布が戦っていた。その力量差は一目で見て取れる。

「くっ!」

 決して馬超も弱いわけではない。呂布が圧倒的だったのだ。

力、速力、そして技術。どれをとっても一級品だった。

馬超は当たらない攻撃を繰り出し、手をしびれさせる攻撃に受け疲弊していた。

(手が・・・)

 馬超が痺れた手を気遣った僅かな隙だった。

方天画戟が大きく彼女に振り下ろされる。

「しまっ・・・」

 しかしその刃は彼女に届くことはなかった。

青龍偃月刀が彼女を護ったのだ。

「馬超殿!助太刀に来た!」

「おりゃー!」

 鈴々が勇んで呂布をなぎ払おうとするが、彼女はいともたやすく避ける。

「・・・軌跡が単純」

「ならば!」

 今度は星だ。数度高速の突きを浴びせるが、弾くか避けるか。一撃も当たらない。

「早いけど、特に恐くない」

「むう・・・それは済まなかった」

「・・・良いけど」

 凄い和やかだった。

とてもじゃないが戦場の雰囲気ではない。

「ええい、真面目にやらんか!」

 愛紗が痺れを既に切らせているが、この空気戻りそうにない。

せっかく威勢良く馬超を助けたのにこれでは台無しだ。・・・問題はその馬超もあきれているのだが。

「・・・ちんきゅ」

「ここにおりますぞ!皆の者、火矢を放て!」

 

 * *

 

「おー、呂布の旗が倒れたぞ。突っ込むぞ、雪蓮」

「や」

 玲二の呼びかけに、雪連はたった一言だけ返す。

「・・・冥琳、首輪もってこい」

「あら、気が合うわね」

 趣味もかしら、と言いながら冥琳の手には首輪とついでに縄。用意が良いのは長年のつきあいだからだろうか?

どこぞの女王様気分なのか縄をびしっと鳴らす。

「はいはい、行けばいいんでしょー」

「多分同じ考えの祭さんがこっちに伝令を出す頃だ。急ぐぞ、甘えん坊」

「人の手柄を横取りするなんてイヤ・・・」

「冥琳、首輪」

 今度は受け取る用の手も差し伸べている。目が本気だ。

「うー」

「うなってもダメ。こういうのは大将がやるから効果が上がるんだ」

「はぁ・・・分かったわよぉ」

 犬耳が生えているのなら完全に垂れているだろう。

少しばかり文句を言いながら出陣の準備に取りかかる。

「あれはお前の言うことには比較的素直に聞く。感謝しているぞ」

「雪連の扱いが巧いんじゃなくて、女全般の扱いが巧いんだよ」

 

 

おまけ:服装について。

書き忘れたので一刀と玲二の服装について細くします。

北郷一刀

羽織袴を少しアレンジしたものを着ています。関取の方が良く着ているアレです。

色は白に少し緑を入れているものです。上に羽織っている羽織は足下まであり、足下にはオオアマナの花が設え、右胸に小さく忠の文字が入っています。

平常時はこれで過ごしていますが、戦時中は袴を着ずに正史から着ている黒のスニーキングスーツの上に羽織りを羽織っています。

左の腰に玲二から受け取った高周波ブレードをぶら下げてます。

ジェームス・R・伊達

イメージ的には真・三国無双5の呂蒙の服装に近いです。・・・これ説明しにくい服装だな。彼も服の下にスニーキングスーツを着込んでます。

腰の後ろに箱を付けており、箱の外側にトンファを固定しています。


 
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