はじめまして。何点か作品を読んで、思った事を書かせてもらいます。

実恋さんは、読者に何を伝えたいのでしょうか？

どれも基本的にモノローグ調の文体なんですが、それを語っているキャラクターの姿が、文章から殆ど見えてきません。

これが“詩”の様なものだと解釈すれば、それぞれの作品単体は、それで理解出来ます。
しかしそうなると、各話毎に別キャラクターの様な感じで語られる文章は、そのボリュームの少なさもあって、ただ単にそれぞれバラバラの言葉を紡いでいるだけ。あまり読者の心に残るものはありません。
全作品が、統一された一つのキャラクターの語りという形だったなら、纏まりがあって良いのですが……。

実恋さんは今一度、“自分が何を書きたいのか”を、自らに問いただした方が良いと思います。

もし、“物語”を小説という形で書きたいのなら、今の様な「自分自身しか見えない」文章は、読者に伝えられる物は少ないと思います。

何故なら、その文章には、俯瞰的に見る視線、所謂“読者の視線”が無いのですから。

語り部たるキャラクターが、どの様な容姿で、どの様な考えを持っていて、どの様に行動するのか。

それらを読者に伝えてこそ、読者の中で、実恋さんの創造したキャラクターが形を持って表れ、動き出し、物語を紡いで行くのだと思います。
その為のディテールが、今の文章には不足していると感じます。

勿論、今の文章から受ける印象通りに、“詩”調の文章を書いて行く方法もあると思います。
それならば、一つのキャラクター（この場合は、実恋さん自身、という事でも構わないでしょう）を軸に据え、そのキャラの連作詩集、という形で書いていくのが良いと思います。
今の、作品がバラバラの印象のままでは、それこそ「140字以上書けるツイッター」みたいなもので、正に独り言。「ああ、何か言ってるな～」ぐらいの感想しか、読者に与える事は出来ない様に思います。

具体的には、投稿されている作品の中でどれか一編を選び、それを膨らませていくのが良いかと思います。

例えば、この「私は盾となりたい」の場合なら、まずは主人公の少女の力、それを描写します。

どの様な力で、どの様にして人を傷つけてしまうのか。
その、自分の力が及ぼした光景に嘆き（このシーンで、今回の作品を改良して、モノローグとして使用すると良いかもしれません）、彷徨う中で大事な人と出会い、様々な出来事を介して、最後には忌まわしき力を人の為に使う……と、今パッと思いついた例ですが、こんな感じに物語は描いていけると思います。

実恋さんの文章から、“人に伝えたい思い”がある事は、強く感じられました。
後は、それを伝える方法を勉強する事だと、個人的には思います。

……長々と、偉そうな事を書いてしまいました。
今回の書き込みが、今後の創作の一助となる事を願います。